中村 淳
滝野店の中村です。
先日お客様とのお話の中でハッとしたことがありました。
ある日のこと。
そのお客様は天気もよかったので散歩がてら先祖のお墓参りに行きました。
いつものようにお参りを済ませ、いつものように同じ墓地にある友達のお墓にお参りに行きました。
「ん???いつもと違う…。」
そこにあるはずのものがない…。
お友達のお墓が撤去されて更地になっていたそうです。
俗に言う「墓じまい」されていたそうです。
弊社でも最近「墓じまい」の見積依頼やご相談を受けることがあります。
ご理由としては
①遠方にいるためお墓参りが大変
②子供がいない(お墓を継ぐものがいない)。
③娘しかいなく、遠くに嫁いでいる(お墓を継ぐものがいない)。
といったところが多いでしょうか。
その後のお骨の取り扱いについては
①今、住んでいる近くの墓地に移設
②永代供養、納骨堂
とくに②の「永代供養」という言葉をよく耳にします。
「永代供養」にも様々な種類がありますが、私の友人の家の場合は、友人曰く「立体駐車場みたいなもの」。
カードと暗証番号を使って入力すると自分の所有するお墓(お骨)が目の前に運ばれてくるというシステムだそうです。
この話を聞いたとき、
「暗証番号を知らない親戚や知人はお墓参りが出来ないのでは・・・」
と思いました。お参りできるのは極々限られた身内だけになってしまいます。
この話と先ほどのお客様の話が私の心の中でリンクしました。
従来のお墓のいいところは、身内だけでなく、親戚、知人誰でもいつでもお参りできるところにあるのではないでしょうか?
個人的には、身内にしか来てもらえないお墓に入るのは少し寂しい気がします。
もちろん「墓じまい」を否定するつもりは全くありません。
ですが「墓じまい」を検討の方とお話しすると、意外に撤去後の事を具体的にお考えでなっかたり、ご家族、ご親戚とお話しされていないケースが多いのも事実です。
こういったこともあってか、今年に入って『墓じまい』が少し減っているようです。
お墓はそのままにしておけば、少々の管理費ですみますが、無理に永代供養や納骨堂にしてしまうと、撤去費用や新たな場所の費用が必要になります。
冷静になれば、致し方ないケースを除けば、急ぐメリットはあまり感じられないと思うのですが・・・。
「墓じまい」をするのは簡単です。
その際には、一度よくご家族、ご親戚と話し合ってみられてはいかがでしょうか?
意外と違う答えが出てくることもあります。
ある日突然、いつもお参りしているお墓がなくなっていると本当に寂しいものですよ。