中村 淳
滝野店の中村です。
前回に引き続き今回は「明王編」です。
怒りの形相で仏教の教えを広める明王。
明王と言えばまず思い浮かぶのがお不動さんこと「不動明王」ではないでしょうか。
京都の五重の塔でお馴染みの東寺の講堂には不動明王を中心として、東・西・南・北4つの方向にそれぞれ4体の明王が配置されています。東に降三世明王、西に大威徳明王、南に軍荼利明王、北に金剛夜叉明王。不動明王と合わせて「五大明王」と呼ばれ、日本中で信仰されています。
この明王ですが、平安時代に弘法大師が中国から「不動明王」を持ち帰ったことが始まりだそうです。当時の人は非常に強い衝撃を受けたと言われているそうです。
しかしこの仏像。他と違いみんな怒っています。
なぜこんな怒りの形相で作られているのでしょうか?
明王は密教で大日如来の化身・分身と言われています。この明王が救うのは「難解の衆生」(なんげのしゅじょう)と言われています。簡単に言うと「いくら言ってもいう事を聞かない人」の事だそうです。
明王は煩悩を背後の炎と剣で焼き尽くし、道に迷うものあれば左手に持っている縄で縛ってでも救うと言われています。怒りで仏教界を護る、言うなれば仏教界の仕事人、裏のガードマンといわけです。
さて次回は「天」編です。