森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
今日はこのご質問から・・・
Q.お仏壇やお墓に樒(しきみ)をお供えするのはなぜですか?
樒(しきみ)はお仏壇やお墓によくお供えされる植物です。
モクレン科の常緑小高木でいつも鮮やかな緑色をしています。
樒は鑑真和上が中国から日本にもたらしたものなのだそうです。
鑑真は歴史の教科書にも出てきますが日本の仏教に戒律を浸透させた人です。
仏教のあらゆる作法にこの植物が使われたことから、今もお仏壇やお墓に供えられるのでしょう。
神道で使われる榊とよく比較されます。
よく似ていますが、樒の方が少し葉っぱが大きく、香りもしっかりあります。
榊は木へんに神と書きますが、樒も木へんに佛でしきみと読めるのだそうです。
熊野の那智妙法山では、
「死者の霊は枕元の一本花の樒の枝をもって山に登り、奥の院に落としていく」
と言われています。
枕元の一本花とは亡くなってから葬儀までの間の枕飾りの花です。
奥の院とはご本尊様をお祀りしているありがたい場所です。
樒があるとすぐに成仏ができるということなのですね。
※参考「岩波仏教辞典 第二版」