こんにちは。
滝野店事務スタッフです。
先日母が、「全然大丈夫ってどういう意味?大丈夫なん?あかんの?どっち?」と聞いてきました。
「大丈夫って意味だと思うけど、何で?」と聞くと、老人会の旅行に着ていく服を買いに行ったお店でサイズが分からず、店員さんに「これ私でも着れますか?」と尋ねると、「全然大丈夫ですよ」と言われたそうです。母は変な事をいう人だと思ってその店をあとにしたそうです。
「全然っていうのは駄目な時に使う言葉やろ、せやのに大丈夫って…なんなん」と困っていました。確かに母の言う事が一般的で店員さんの言葉がいわゆる若者言葉なのですが、最近ではアナウンサーやコメンテーターの方も「全然OKです」「全然いけてます」とか「全然嬉しいです」とおっしゃっています。前から気になっていたので少し調べてみました。
【全然】とはあとに続く言葉を否定する意味を持っていると小学校の国語で教えられています。例えば「全然嬉しくない」とか、「全然分からない」とか、「全然上手くいかない」という使い方です。検定試験などでは、【全然+肯定】は不適切だと判断されます。
けれど【全然】はもともと肯定表現で「完全に、まるっきり」の意味で使っていたらしく、明治時代、夏目漱石や森鴎外などもこの使いかたで小説を書いていたそうです。「彼女は当時、全然に恋愛の奴隷であった」「このプロジェクトは全然彼に任せることにした」という使い方になります。
最近よく耳にする「全然平気だから気にしないで」とか、「母の手料理の方が全然おいしい」は若者言葉の一種で、俗な用法です。
時に年配の方には違和感がある言葉だそうです。
なんだか難しい話になってしまいましたけれど、お店の方も「大丈夫ですよ」とか「全く問題ないですよ」とかでよかったのに俗語に流されてお客様に不快感をあたえてしまった、とても怖いことだなと思い、私も親しい間柄だとたまに使ってしまうので、気をつけなければいけないなと反省しました。
店内のお地蔵様、難しい話の後に見るとホッコリ癒されます。