滝野店の中村です。
先日、セミナーの一環として「大阪の七墓」を見学してまいりました。
江戸時代のころ、大阪ではお盆に7つの墓を巡って無縁仏を供養する「七墓巡り」という風習があったそうです。
七墓の7つの墓に関しては諸説あり様々な場所がありますが、厳密にここというのはなく「大阪界隈にある7つのお墓」という感じでゆる~いルールだったようです。
七墓巡りをするとご利益があると言われ「自分の葬式の日に晴れる」とも言われていたそうです。
七墓巡りは厳かに行なわれていたわけではなく、割とどんちゃん騒ぎで今でいう盆踊りのような一種のエンターテイメントだったようです。
今回はその中の一つ「蒲生墓地」をご紹介します。
蒲生墓地はJR京橋駅を降りてすぐのところにあります。
京橋と言えば言わずと知れた「ディープな街」です。
私にとっては色んな意味で「記憶のない街」です。
墓地は居酒屋や焼肉屋に囲まれた中にポツンとあります。
普段は施錠され、厳重に管理されています。
墓地の南側は、元々川だったそうです。
そこが都市整備により埋め立てられ、そこに屋台が立ち、お店ができ…。
その結果こうなったそうです。
もうお墓が建物の中にめりこんでしまっています。何とも商魂たくましい。
こちらは墓地で一番古いお墓。
古いので彫刻内容の確認がなかなか難しいですが、江戸時代のものに違いないそうです。
中にはこんな石像も。
これらは終戦前日の8月14日の空襲の爆風で破損したそうです。
最後に、こちらはこの墓地で一番有名なお墓。
度々メディアに取り上げられいるのでご存知の方も多いかと。
私は「お墓から見たニッポン」という番組で初めて知りました。
こちらは「教訓墓」とも言われ、後世に伝える教訓が彫刻されています。
上から順に読むと、
「人」「ニ」「ハ」「|」「一」
「|」は芯棒=辛抱で
「人には辛抱が一番」と読めます。
さらにこれらを全て合体させるとある漢字になります。
皆さんわかります?
そう!答えは 金 !
「商売の秘訣は辛抱」となんとも大阪らしいユーモアで商売に絡んだ教訓です。
今回はこの墓地の他に南浜墓地にも訪れましたが、一度「七墓巡り」にも挑戦してみたくなりました。