キン・キン・キン・キン・・・・
当社では今の時期、仕事が終わった夜にこの音が響き渡ります。
石をノミで叩く音です。
毎年この時期にこの音がするのにはわけがあります。
それは石工の技能検定が1月下旬に行われるからなのです。
若い職人が一人前として認められる登竜門として、
当社では経験年数を満たせば受験させています。
一見役に立たないような技術を今更なぜ真剣にしているのでしょうか。
石の加工は、割り・叩きが基本です。
現代では工具が発達したおかげで、切って磨くが当たり前になりました。
切って磨いた方が早くてキレイですし、古いものを直すより、
新しいものに取り替えた方が安上がりの事も多いです。
しかし、その分手づくりの味わいのようなものが消え去ってしまいました。
やはりいくらきれいに作っても、最終的には手づくりの良さにはかないません。
石を叩いていると無心になります。
しかし様々なことに気づきます。
そして古いものの良さが少しずつ見えてくるような気がするのです。
それを伝えたくてうちの職人にはこれをさせています。
まだまだ叩いて仕上げたお墓を作るのには熟練が必要ですが、
将来はひとつの作品が出来るように頑張って欲しいと思っています。