森田石材店ブログ - お客様とお墓づくり -
長ーい歴史
2018年10月24日 08:00
滝野店の髙梨です。この仕事に携わって約15年、この度初めての製品を納めさせて頂きました。
2m50cmの霊標です。初代様~15代様まで約450年弱。始まりは桃山時代です。
そしてもちろんこの後も代々続きます。しかし、もっと驚くことは...こちら
工事前の状態なのですが、なんと15代全ての墓石は夫婦で揃っており、なおかつ個人で亡くなられた方のお墓までしっかりと管理されておられたのです。
ご自宅にはお位牌や過去帳はもちろん、先代様はご自分で先祖様をまとめた一冊まで作られていました。
のちのち、家の歴史を知っていかれる方にとってはこれ以上ない物ですし、素晴らしい供養ですね。僕のお客様では、現段階で一番長い歴史のお仕事でしたが、スムーズに先祖様の整理をさせて頂けました。
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山の上の狭いスペースでの建立
2018年10月23日 08:00
篠山店の園中です。
お墓へ行くにはこの狭くて舗装されていない道を使うしかありません。
通常は、キャタピラーやカートクレーンという運搬機(台車のようなもの)を使用するのですが、急勾配の坂を何度も重い墓石を運搬することは、転倒の危機も伴いますし通路を痛めことにつながります。
そこで今回はラフターを使い一気に墓石の前まで運びました。
建てる場所は、この赤線の枠内。墓石が一つ入るだけの幅。
まず、この既存の夫婦墓の水鉢+花立(黄色い部分)の小物を省き、下がれるところまで後ろに下がり、広さを確保することから作業をはじめます。
<お客様のご要望>
・既存墓は先代が建てものだから残して欲しい。
・代々墓と霊標を建て出来るだけ拝む場所を広く取りたい。
既存碑を、後ろのブロックにあたるまで下げて、据え直しました。
そして、前に8寸角(一枚板付)の墓石と省スペース型の霊標を据付完了。
上からの写真はこちら。一列にきれいに並びました。
今回、少しでもスペースを広く確保する為にした事は
- ①右隣の方と話しをし少し霊標を移動してもらう。
- ②霊標を通常より幅の狭い省スペース型にする。
- ③既存墓を出来るだけ後ろに配置する。
- ④既存墓の花立を撤去し、場所を取らない地挿しの花立パイプにする
お客様よりバランスよく配置されてスッキリしたと喜んで頂きました。
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まだまだ多い夫婦墓。
2018年10月20日 08:00
この写真は皆さんもよく見慣れたタイプのお墓です。私どもが今一番多くお手伝いさせて頂いています。右の墓石が代々墓、左の板が霊標(戒名板)といいます。
墓石には納骨室があり、ご家族皆さんのお骨が入れられるようになっており、霊標にはやはり皆さんの戒名が刻めるようになっています。この形式にすると今後新たに墓石を建てる必要はありません。
霊標に戒名を刻むだけで大丈夫です。お墓のスペースにも限りがありますので、多くの方がこのタイプをお選びになられます。
一方この写真は昔からよくある伝統的なタイプです。ご夫婦毎に墓石を1本建てるのです。おのずと墓石の数はどんどん増えていきます。
こちらのお家は代々墓と霊標のタイプではなく、こちらをお選びになられました。ほかにも同じ形式でのお手伝いがありますのでご覧下さい。
こうやって見ると伝統的な夫婦墓を建てるケースがまだまだ多い事に気付きます。費用やスペースのことを考えると代々墓+霊標のほうが合理的かとは思います。
お墓という特別な物を建てるご家族の想いには理屈では計り知れない大きな何かが存在するのだと改めて感じました。
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区画の敷地面積広すぎる場合のお墓
2018年10月13日 08:00
滝野店の中村です。
滝野店のエリアでは非常に敷地面積の広い墓地がよくあります。
従来お墓はご夫婦ごと若しくは個人ごとに建てられていました。
ですので公営墓地や民間墓地は別として、村の墓地は非常に広く割り当てられています。
10㎡前後の区画なんてざらにあります。
しかし最近の建て方として、「先祖代々のお墓と霊標(墓誌、法名碑)」といったセットの建て方が主流となっております。
建て替え(既に何基か墓石がある場合)はいいのですが、ご新宅の場合ですと広い敷地にポツンと墓石が建つことになります。
また、広い敷地を全て巻石で囲ったりすると予算的にも高額になります。
そして何より敷地が広い分、草引きなどお手入れも大変です。
そこで、
「お墓は建てたい。でも敷地が広くて・・・。」
とお墓づくりを躊躇される場合もよくあります。
この対策として方法はいくつかあります。
ひとつはその区画を返して新たに狭い区画を確保し直す方法です。
しかしこれは墓地規約によって制限されていたり、そもそも狭い区画がない場合もあります。
今回担当したお客様はまさにそのようなお客様でした。
もうとにかく広い区画しかないのです。
3.6m×3.1mの11㎡です。
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大きなお墓①
2018年10月12日 08:00
篠山店の眞下です。
現在、工事させていただいている、お墓づくりの話です。
現場は三木市吉川町で、「大きいお墓」というのは、墓地の大きさです。
間口5.5メートル、奥行き8.1メートルで44平方メートルの墓地の大きさです。
私もこんな大きな墓地のお手伝いをさせていただくには初めてです。墓地が低い所にあり、土が墓地内に流入しています。
上の写真でもわかるように墓地の周りを囲んでいる巻石が見えなくなっている所があるのがわかると思います。
工事初日は既存碑と巻石の解体と2日目に基礎ベースをする為の土出しの作業です。
巻石は元の所に据え直すのでナンバリングして、一旦墓地の外に出します。また、この巻石の上に玉垣を据えるので、洗う作業も必要です。
工事初日は終了です。2日目に巻石の下に基礎コンクリートをして、養生の為に約10日後に工事再開です。
次回も続きます。
姓が変わっても使えるお墓の正面文字
2018年09月27日 08:00
滝野店の中村です。
以前にも「嫁いだ娘が継ぐ場合のお墓の正面文字」ということでご紹介したことがありますが、今回のお客様も同様ケースでリフォーム工事をご依頼いただきました。
元々は下の写真のように「◯◯家之墓」と刻まれていました。
「◯◯家」というのは施主様の奥様のご実家の姓ですが、現在は絶えてしまい、しかも奥様もお亡くなりになりました。
施主様のご要望は
①奥様のご遺骨は生前中の希望もあり生まれ育った土地のお墓に納めてあげたい
②自分たちもこのお墓を使っていきたい(継承していきたい)
ということでした。
そこで、こちらからのご提案としましては、ご親戚やご住職のご理解が得られた上で、竿石(墓石の◯◯家之墓と彫刻したある部分)を新調することでした。
◯◯家の部分はご主人の姓にするのではなく、奥様方のご親族も入っておられるので「先祖代々之墓」と彫刻しました。
また既存の竿石には亡くなられた方の戒名や命日が彫刻されていましたので。
新たに霊標を設置して両面にそれぞれのご家族の戒名を彫刻致しました。
また既存の墓石はやや傾いておりましたので、もう一度据え直し、地蔵も新設致しました。
最近のお墓の継承方法は多岐にわたっています。「うちは娘しかいないから」と諦めないでください。
区画に合わせた形でご提案
2018年09月21日 08:00
篠山店の園中です。
今回ご紹介するのは、亡くなって1年までに洋風のデザイン墓を建てられたお客様のお話です。
展示場にあるデザインを気に入っていただきこちらの墓石で決定しました。
が、問題が・・・。
お客様にはすでに既存の外柵があり、そのままの寸法でははみ出してしまうことが分かりました。(区画内寸法:幅126cm×奥行約67cm)
既存の外柵内に納める方法としてご提案したのは
①全体的に寸法を縮める
②パーツを取り除く
お客様は全体的な大きさと雰囲気を重視され、②前のパーツを取り除く方法を選択しました。
次に彫刻の話です。
正面に「偲」の一字を彫ることは決めおられましたが、一字だけを当てはめるとなんか寂しいと言うことで、桜の花を上下の斜交いに彫刻することになりました。
原寸大の文字とイラストの配置をご家族で念入りにチェックされました。
完成がこちら。
今回建てた場所は、お寺の境内墓地です。
周りのお墓は、すべて従来型の和墓です。お墓の高さや全体的な雰囲気も突出した形でなかったので、周囲に違和感なく溶け込んでいます。
桜のイラストもやさしい感じの彫刻になり喜んでいただけました。
住職からもお客様へ「いいお墓が出来たね」とのお言葉を掛けておられました。
限りある場所での建立も、いろいろご提案させていただきます。
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お墓のお引っ越し
2018年09月18日 08:00
本店の高橋です。
今回は弊社の地元、山南町から宝塚市へお墓を丸ごと移転するお手伝いをさせて頂きました。
山南町ではよくある林の中の個人墓地です。広さもたっぷりです。
都心部で同じ広さの墓地を確保するとなればウン百万円はするでしょうね。
施主様はずいぶん前に宝塚市へ転居され、そろそろお墓もと言うことでお引っ越しとなりました。
洗練された公園墓地でとても心地よいです。駐車場や水場も整備されています。
通路も綺麗で植栽もよく管理されています。
以前と比べるとかなり狭くなりましたが、コンパクトですっきりしたお墓になりました。墓石、霊標、塔婆立は以前からのものをそっくりそのまま使用しています。
囲いの巻石は大きさに合わせて新調しましたが、墓石まで新しく作る場合と比べると費用はかなり低く抑えられました。
一番良かったのはご自宅から近くなったことでお墓参りの回数が増えることでしょう。
良いお手伝いが出来ました。
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写経の納め方
2018年09月16日 08:00
こんにちは、篠山店の上山です。
写経と言えば、般若心経などを半紙などに書き写すことです。
今から1000年前、まだ印刷機やカメラなどがない時代に僧侶の修行のために宗教の根幹である経典を書き写すことが写経という言葉の始まりで、お釈迦様が五種の修行の中で書き写しは仏道修行の一つと定めていました。
写経の1文字1文字には意味があり、そのお経1文字書くたびに仏様が現れるといわれています。
書かれた写経を墓石建立後の入魂のお手伝いをする時に墓石の納骨堂に納められることが増えてきました。
多くは、広げたままか二つ折りで入れられますが、この時は住職が「写経には折り方というのがあるんですよ、折ってみましょうか?」と言ってされていましたが、久しぶりだったためか思い出しながら折っておられました。
私も折り方を見るのは初めてだったので横で拝見しておりました。
微妙な位置から斜めに折る。
文字が内側になるのですね。
う~ん、もう覚えられません。
この折り方は「折り鶴」に似ているような。
「メンコ」の折り方の様な。
益々覚えられません。
完成です。
折り上がってしまうとさほど変わった形でもないですが、でも簡単に開かないような不思議な形でした。
又、あのような機会があれば今度は由来などをお聞きしたいと思います。
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