森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -
野面積み
2022年08月26日 09:00
代表の森田です。
只今、大きな神社の改修工事をしているのですが、役員様から
『隣にある「お稲荷さん」をお祀りしている小宮さんを見栄え良く直してほしい』
とのご要望がありました。
周りの石はガタガタになっていて、後ろ側は石も崩れて土が流れ落ちてくる状態でした。
弊社の一番石積みが上手な職人が野面積み工法で土留を作りました。
新しい石は使っていないので、とても自然な仕上がりになりました。
野面積みは規格の石ではないので、センスが問われる仕事です。
積みながら「この石は、ここに使って欲しがってるな」と石と会話しながら積みます。
積むポイントは「四つ角をつくらない」「大きな石と小さな石をバランスよく使う」などなど。
役員様にも大変喜ばれました。
歴史を残してリニューアル
2022年07月21日 09:00
篠山店の園中です。
今回は、観音像が入るお堂の移転に伴い新しくお堂と小さな鐘撞堂を工事した時のお話です。
工事をするにあたり、今まで屋根の上にあった瓦の擬宝珠と銅製の鐘は必ず残して欲しいとのご希望でした。
特に擬宝珠は歴史が古く、観音像が奉納された宝暦12年に出来た物と言うことでした。
ただ新しい屋根に乗せるには、サイズが大きく釣り合いが取れないので、後ろに置く場所を作りました。
鐘もお堂の正面に配置するには難しく、少し離れた所に柱付きの小さい鐘撞堂を建てました。
こちらが全体図です。集落の方からは「以前と比べると小さくなったけど、立派なお堂が出来た。古い瓦の擬宝珠も残せて良かった」と言っていただきました。
小さい鐘撞堂の鐘を鳴らし、参列者の皆さんで観音さんに手を合わせました。
皆さんから「いい具合に移設が出来た」と喜んで頂き嬉しかったです。
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御詠歌の石碑
2022年06月28日 09:00
代表の森田です。
お寺にはそれぞれ御詠歌があります。関西ではお葬儀後、西国三十三か所の御詠歌を四十九日間唱える風習があります。
私も父を送った際、毎日家族で唱えたのですが、それを期に「西国巡礼」を二年かけて回りました。
今回は、真言宗の延命寺様の御詠歌を石に刻ませてもらいました。
正面は御詠歌で、裏面は高野山金剛流御詠歌による布教を発願し会員を募られた経緯が記されています。
また、来年が三十三年に一度の「地蔵菩薩御本尊御開扉」の年でもあるので、この碑を建立されました。
除幕式の風景です。御祈祷ならびに会員の皆様で御詠歌を唱えられました。
向かって右側の方が、この碑の文字を書かれた「書道家の新井芳洋氏」です。
力強さと女性のやさしさも伝わる文字だなと思いました。
玉垣大改修工事
2022年06月09日 17:15
代表の森田です。
第5弾は新しい玉垣に変える工事です。
この写真ではわかりにくいですが、ご神木がお祭りしてあります。
正面に狐の石碑も移設して広やかにしました。
参道も歩きやすく付け替えました。
既設の玉垣は150年ほど前のもので、何回も修繕されているのですが、崩れる恐れもあるので宮司さんも一番心配をされていました。
玉垣の本数は120本ほどあったので、どれくらい寄付が集まるか・・・?
工事前までは70本ほどの寄付でしたが、出来上がれば寄付者も増えるでしょうとの思いでスタートしました。
工事を進めていくとなんと100本まで寄付者が増え、残り20本も完成後約半年で完売となり宮司様も私も感謝感激でした。
一番喜んでいるのは、ご神木の様な気がします。
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灯籠の奉納と参道工事
2022年05月23日 09:00
代表の森田です。
第4弾は、灯籠と参道のお仕事です。
宮司さんのお考えは、「お参りが多い神社なので、歩きやすい参道にしたいね・・・」
ある日、「ちょっと相談があるので来てもらえますか」との連絡がありました。
「1.5m位の灯籠の奉納者を募りたいんです」とのお話でした。
でも玉垣と違って、灯籠は金額も高くなるので奉納してもらえる方は少ないかなと思っていました。
いざ募集をかけてみるとあっという間に予定本数をオーバーしました。
これで参道も改修できる運びとなりました。
木の根っこの部分は控えて石張りをしましたが、当然木は大きくなるので、根っこも大きくなります。
その対処方法として、根っこの付近を縁切りした参道にしました(緑色の箇所)。
将来、参道石が浮き上がってくることを想定し、安価で修繕ができる仕組みです。
多くの寄進者様のお陰で、きれいな灯籠と参道が出来上がりました。
最後に竣工の記念碑を設置して完成しました。
最後は、ご神木周辺工事です。
お楽しみに。
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仕事帰りにお参り
2022年05月20日 09:00
こんにちは、本店スタッフです。
先日、山南本店の展示場を片付けていた際に額に入った拓本が出てきました。
拓本には山南町井原にある「日吉神社」の文字と揮毫した方の名前。
で、その写真を撮り忘れるあたり、まだまだ私は詰めが甘いのですが…。
馴染のある神社だったので早速、いつもと帰り道のルートを変更してお参りしてきました。
大鳥居を見上げていただくと見える、この額の部分です。
この文字を森田石材店の初代 森田藤四郎が彫った と、弊社の歴史が載っております「森田石材店 百年の歩み」に書いてありました。裏側にはちゃんと「森田」の名前が。
そして、この文字を書いたのが、のちに三度にわたり内閣総理大臣を務めた「近衛文麿」です。
と、知った風に紹介していますが私は最近まで近衛氏がどなたなのか、存じませんでした。すみません。
子どもの頃、この日吉神社ではよく遊んでいました。しかし、今思うとみんな境内を自転車で突っ切って走っていた記憶があります。
神社境内には基本的に自転車は進入禁止です。ちゃんと駐輪所に停めてからお参りしましょう。
誰もいな夕方の神社、十数年ぶりに訪れることができノスタルジックな空気に浸れてよかったです。
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神社の玉垣の修繕
2022年04月28日 09:00
代表の森田です。
第三弾は「玉垣の柱の修繕工事」です。
工事前は、柱の石を直接土の中に埋め込む工法でした。
昔はコンクリートが無かったからです。
建物も今では鉄筋が入ったコンクリートの基礎を作ってから柱を立てますが、昔は基礎石と言って大きな石を柱の下に埋めてから建てていました。
図の様に柱が埋められていましたが、今まで埋まっていた部分は切断します。
新しく柱をハメ込む穴を掘った土台石を作ります。
柱の繋ぎ入っていた鉄の棒は錆びてしまっていたので、新しくステンレス製の物に交換して完成です。
車止めに「石ころ」が置いてありましたが、新しく石製のポールを設置。
おもむきのある神社になりました。
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十三重塔傾き直し~完成編~
2022年04月14日 08:00
前回は、十三重塔の解体と石積み舞台造りをご紹介致しました。
今回は、塔の完成までをご紹介致します。
崩れた石積みを積み直します。
西面に「弥陀」南面に「観音」東面に「薬師」北面に「釈迦」の梵字が彫刻されています。
ちなみに、この石を重ねている十三という重層の数にも意味があります。
それは、蔵界曼荼羅十三大院にちなんだもので、十三の一つ一つがそれぞれ違った意味の祈りを持っているそうです。
石舞台は、石の大小の組み合わせで、不規則に積まれているように見えますが、石の比重を考えて据付し、見た目にきれいに積むことが大事です。
これで倒壊の危険もなくなり、安心したと喜んで頂けました。
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手水舎のプチリフォーム
2022年04月11日 08:00
代表の森田です。
葛葉稲荷神社の改修工事・第3弾は手水舎のプチリフォームです。
立派な屋根が付いた手水舎ですが、実は水を流れ出す排水溝がありません。
ですので、参拝者が多いときは足元が水びたしになってしまいます。
こちらがリフォーム後の写真です。
水鉢の周りに高さ20㎝の石を巻きました。
そして中に「那智黒の石」を敷き詰め、見えませんが排水管も通して完成です。
ちょっとしたリフォームで、お清めの時も足元が汚れず、とても良くなりました。
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