よくあるご質問
お墓づくりについて
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お墓って地震対策しないのですか?
A.
お墓の地震対策は、最近では一般的になりつつあります。
さて、お墓は地震対策なしでは、震度4程度で倒壊の危険性があります。
古い墓石は特に注意が必要で、最近はリフォームを機会に地震対策をされる方も増えてきています。地震の対策には、耐震と免震の2種類があります。
耐震は墓石に金属の心棒を入れ、頑丈にして揺れに耐える方法です。
免震とは特殊ゲルを石の間にはさみ、各部で振動を吸収する方法です。各石材店で対応方法が違いますので、よくご確認ください。
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お墓の一般的な予算はどれぐらい?
A.
お墓の平均価格は、
- 墓石のみ…102万円
- 墓石+外柵…171万円
- 全平均…141万円
(2018年7月~2019年6月当社建立)
「墓石のみ」の方は、現状のお墓に夫婦墓を追加して建てる場合が多く、大きさ、石種も既存のものと同程度のものを選ばれます。
それに対し「墓石+外柵」は代々墓が多くなります。
代々墓は夫婦墓よりひとまわり大きなものが一般的なため、予算も少し高くなります。
またそのうちの3割ぐらいの方は五輪塔も建てられます。お墓の形・大きさにはとても地域性があります。
北は北海道から南は沖縄まで、日本のお墓は大小様々です。
しかしお墓にかける予算は全国的に140~180万円前後(墓地代は除く)だそうです。
他の地域に比べて小さいお墓を建てる関西人は、特に石にうるさいといわれています。 -
お墓はいつ建てればいいんですか?
A.
「お墓はすぐに建てない方がよい」と耳にしますが、これには主に3つの理由があります。
- 経済的な問題・・・一家の大黒柱がお亡くなりになれば、生活は大変です。
- 近隣の習慣・・・昔からのしきたりを守ったほうが無難。
- 土葬だった・・・土葬は、埋葬された棺が腐るのに時間がかかりました。
以上の理由が合わさって伝わっています。
もし、これらの制約がなければ、早い時期にお墓を建ててご供養された方がいいと思います。
近年では一周忌・三回忌に合わせて建立される方が多いようです。
また、もう少し日を気にしたいという方には、暦(こよみ)がおすすめです。
こんな時に注意しないといけないのが迷信です。
厄年や土用は建ててはいけないとおっしゃる方もおられます。
しかしこういう迷信には全く根拠がありません。
もしあなたが亡くなって、子供たちが、厄年にお墓を建てたからといってその子たちをたたりますか?
そんなことはないと思います。
お墓は善意そのものです。良いお墓づくりをなさってください。 -
お墓は何日ぐらいで建ちますか?
A.
通常は発注後2~3ヶ月は必要です。当社平均は4.2ヶ月です。
お墓には多くの工程があり、製作に約一ヶ月かかります。
その後、文字を彫り、墓地に建てます。確かにお急ぎなら一ヶ月以内に建てる事も可能ですが、その場合には、商品が限られたり、十分な検品ができないこともあります。
私はお墓が完成するまでの数ヶ月は、とてもいい時間だと思っています。
なぜなら戒名(法名)を調べるのにご先祖様を遡ったり、写経を書いたりすることで、改めて様々なことを感じられる方が意外に多いからです。
お墓づくりって本当にいいものですね。 -
お墓の形にきまりはあるの?
A.
ありません。が・・・
「宗派によって違うものなのですか?」とよく聞かれますが、それはありません。
仏教と神道で多少違いはありますが、どこかに決まりがあるわけでもありません。
むしろ重要なのは地域の慣習です。「昔からこうしている」という話はどの地域にもあります。
そういったことは無視しない方がいいと思います。
「知らなかったばかりに、親戚と気まずくなった」という事がないようにするのが私たち石材店の役目だと思っています。
お墓の形は自由です。ぜひあなたらしいお墓をつくって頂きたいと思います。
石について
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石は素人には分からないものなのでしょ?
A.
じっくり見ていただければ違いは分かってきます。
ぜひ興味を持って観て下さい。墓石の最高級品として有名な庵治石。
キメ細かな地肌に重量感・色艶・風格があり、観る人の心を和ませます。
また芸術家イサムノグチが愛した伊達冠石には、日本的なワビサビを感じます。石は分からないものとよく言われますが、決してそんなことはありません。
色の濃い石もあれば、生地の細かい石もあります。
そして何より違うのは、実際に見ると石の力を感じるということです。
言葉では表しにくいですが、天然素材の持つ力なのでしょうね。 -
墓石はみかげ石がいいと聞いたのですが。
A.
そのとおりです。今のお墓は大半がみかげ石です。
みかげ石とは六甲山で採れた本御影石のことですが、現在は採掘できません。
今は、一般的に花崗岩がみかげ石と呼ばれています。ではなぜ「みかげ石がいい」と言ったのでしょうか。
昔、道具が良くなかった時代は、みかげ石の加工は硬くて大変でした。
そこで加工のしやすい軟石(凝灰岩等)がよく使われていました。
よって、みかげ石はとても高価で特別な石だったのです。戦後、石工の道具は飛躍的に進歩し、硬い石も問題なく加工できるようになりました。
今では一般的に使われています。 -
吸水の少ない石がいい石なのですか?
A.
それも基準の一つ。でも石に良し悪しはないと思います。
吸水率が低いということは石にとって大切なことです。しかし、多少の吸水率や強度の違いは、実はあまり問題ではありません。
耐久性に関しては、むしろお墓を建てる立地の方が大きく影響します。
沿岸部の潮風にあたる場所などでは石の風化は早くなります。
私は石もある意味嗜好品だと思っています。例えば日本酒。大吟醸といっても美味しいかどうかは飲む人の好みです。
石も同じです。その人にとって好きな色・柄が大切だと思います。
実際にお選びになる時には、じっくりご覧になって下さい。
お墓がある人の悩み
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戒名の追字について教えてください。
A.
時期、価格については以下のとおりです。
墓誌(霊標)への追字は四十九日~一周忌に合わせてされることが多いようです。
また作業には約1~3週間ぐらいかかりますので、あらかじめ分かっている場合には早めにご依頼ください。費用の目安は、年号のみで3万9千円(税抜)~、戒名と年号で4万5千円(税抜)~です。
実際に文字を彫る場合には、石を工場に持ち帰って彫る場合と現地で彫る場合があります。いずれの場合にもお性根抜きが必要な場合があります。お寺さんによって違いますので、よくご確認ください。
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「お墓の引越し」どうすればいいの?
A.
お墓の引越しは改葬といって法的手続きが必要です。それから移転します。
手続きの手順は、
- 現在の墓の管理者に「埋葬証明書」を出してもらいます。
- 次の墓地の管理者に「受入れ証明書」を出してもらいます。
- この二つを市町村役場に提出して「改葬許可書」を発行してもらいます。
- これを次の墓地の管理者に提出すると納骨ができます。
移転に伴い、お寺さんや地元の方との縁が切れてしまうこともあります。
長年お世話になった方々には十分に礼儀をつくしてお話をすすめて下さい。 -
「お墓の引越し」いくらかかるの?
A.
十五~四十万円位が多いようです。
Aさんは鳥取の実家にお墓がありました。
そこにはお墓が3つありましたが、打合せの結果2つはお寺の供養搭に納め、ご両親のお墓のみを丹波篠山市内の墓地に移動されました。
元の墓地は更地で返しました。この時のお引越し費用総額は28万円(税抜)でした。
費用は、距離・墓の大きさ・数・現場状況によって多少異なります。無料お見積りをご利用下さい。
さて「お墓の引越し」をされたAさん、その後はお盆やお彼岸だけでなく、月命日にもご両親のお墓にお参りされているようです。
「迷信」について
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お墓に家紋はダメなの?
A.
問題ありません。
一般的にお墓の頂部には各宗派のシンボルを彫刻します。
例えば真言宗なら梵字、禅宗なら円相といった具合です。
地域によってはこの頂部に家紋が彫ってあるお墓がありますが、これを批判する方がおられます。しかし、全く気にする必要はありません。
そもそも墓は地域性が強いものです。
宗教的な面も重要ですが、代々受け継がれてきた地域の慣習もとても大切です。
お墓は亡くなった方のためにつくられます。まさに利他の気持ちです。
枝葉末節から「良い墓・悪い墓」と批判することはあってはならないと思っています。 -
お墓がカケていると縁起が悪いの?
A.
迷信です。大切なのは供養の気持ちです。
でもキチンとしておく方がいいですね。この迷信は「墓相」というものが発端です。
「墓相」については詳しくは触れませんが、その中には石のカケ以外にも、多くの事柄が定められています。
建て方によって、吉相・凶相があります。信じる信じないは個人の自由です。さて、何か悪い事が起こると「墓の相が良くない」と墓のせいにされる方があります。
でも目に見えないものの事を言われても困りますよね。
確かにそういう事もあるのかもしれませんが、私にはそういうものは見えないので分かりません。私はお墓は亡き人へのプレゼントだと思っています。
例えば、大切なお母さんに指輪を買ってあげたとします。
その指輪にキズがついていたら、あなたは修理してあげたいと思われますよね。
お墓も同じだと思います。
どんなものでも壊れたまま使っていると良くないといわれます。
家でも印鑑でもそうだと思いますが、それと同じで「石も壊れたままでは駄目だよ」という戒めの意味があるのかも知れません。お墓は私たちのご先祖様がおられる場所です。
何かが悪いからといって「子孫をたたってやろう」なんて事はないと思いますよ。 -
黒い石を建てると不幸になるの?
A.
なりません。
この質問、実は割と多いんです。でも全く根拠はありません。
この迷信は墓相の「墓石の黒は凶」からきています。
それが無責任に伝わっているのでしょう。
墓相を信じるかどうかは人それぞれ。くれぐれも人に押付けない様に。さて、もし黒い石が本当に不幸になるのなら、東日本の70%以上の人は不幸です。
昔から黒い石は東日本に多く採石され、今でも墓石によく使われているからです。
ちなみに自然石の墓も凶といわれていますが言うまでもないと思います。
お墓を建てる心は、もっと尊いものだと思います。 -
お墓に木を植えると良くないの?
A.
問題ありません。でも配慮は必要です。
桜が満開のいい季節に、「死んでも毎年この桜が見たい」と思い、それを実現した人がいます。本居宣長です。
彼は遺言書の中に「山桜を吟味して植える」としており、実際に今もお墓には山桜が有ります。確かに墓地に木があると良くないこともあります。
大きくなれば日当たりが悪くなるし、根が伸びて周りのお墓に迷惑を掛けることもあります。ですから実際に木を植える時はそれなりに注意が必要です。
とはいえ木を植えたら不幸になるとはとても思えません。
宣長のように、死んでも毎年お花見が出来るなんていいと思いませんか?
誰に聞いたらいいのかわからないこと
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先祖代々のお墓がいいんですか?
A.
代々墓、夫婦墓どちらでもOKです。
お墓には、個人墓・夫婦墓・代々墓があります。
近年、都市部での墓地不足から、代々墓が主流となってきました。
今では田舎でも代々墓の方が多くなっています。しかし場所が限られている墓地では便利な代々墓ですが、十分な広さがあるお墓では、どことなく寂しさを感じます。
やはり墓地が広い場合には、昔ながらの夫婦墓で戒名に向かって手を合わせてほしいと私は思っています。
「そんな事したら、墓地がお墓であふれてしまう」と聞こえてきそうですがご安心下さい。
昔の人はこれをうまく解決していました。 -
夫婦墓を建て続けると・・・
A.
定期的に整理して納めることで継続することができます。
民俗学の柳田國男氏によれば、日本人はご先祖様に対して次のように考えています。
人の魂は、亡くなって30~50年で個性を失い、故郷へ戻って村の氏神様となりみんなを守ってくれるのだそうです。ですから地域によっては50年経ったお墓は「墓倒し」といって処分する風習もあります。
また近年は、50回忌を期に五輪塔へ戒名を移し石塔は納めるという方法も多いようです。もちろんスペースに余裕さえあれば、古いお墓は残した方がいいと思います。
お墓づくりの際には、じっくりとお考え下さい。
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娘ばかり。お墓は誰が継いでくれる?
A.
姓が変わった娘さんが継承することも可能です。
お墓の継承は次の3つのパターンがあります。- 遺言等で指定した人
- 地元の慣習で認められた人
- 家庭裁判所が認めた人
となっています。
この場合、遺言書で娘さんにお墓の継承を託すことも考えられますし、仮に遺言書がなくても子供が親の墓を継承するのは慣習として一般的に認められます。
よくこの問題を誰にも相談せずに、「後継者がいないから・・」とお悩みになり、お墓を諦められている方がおられます。しかし実際、娘さんにご相談されるとほとんどの場合は解決します。
ぜひご相談ください。 -
風水を使ってお墓づくりをしたいのですが・・・。
A.
風水を用いたお墓づくりは、予想以上に大変ですよ。
風水には、陽宅風水、陰宅風水、都市風水があり、家づくり、墓づくり、都市計画に使われてきました。
ちなみに京都の町が都市風水によってつくられているのは有名な話です。さて風水は元々儒教の思想に基づいています。
よって親の墓地選びは、子にとって最も重要なことで失敗するわけにはいかなかったことから発達しました。
ちなみに理想の墓地とは「吉方に向いた山中の耕せない場所」。
裏を返せば、水を引いて耕せる場所は農業に使うべきなんですね。
風水では墓地は親の生前に見つけておくのが当然で、準備不足は風水以前の問題と片付けられています。他にも、埋葬は通常3ヶ月以内で7ヶ月を超えてはならず、その間は喪に服し、粗食で酒、音楽等は禁止です。
風水を守ろうとすると大変ですね。
お墓の知識
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なぜお墓を建てるとサラシを巻くの?
A.
みんなの供養の印です。
昔、お葬式のとき、せっかく来て下さったにもかかわらず、中に入れない方々のために一本の紐を皆で持っていただいて故人を偲んでいただくという風習があったようです。
葬儀が終わると、この紐(さらし)は喪主の方に手渡され、ご参列の方々の供養の品とされました。その後、墓が建立されたとき、このさらしは供養の印として墓石に巻かれることとなり、開眼供養の際にこれを取るようになったようです。
故人を偲んだこのさらしは、その後はお産の腹帯として使われたりしたそうです。
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自宅の庭にお墓を建てたいのですが。
A.
墓地以外にお墓を建てることは法的に難しいようです。
「墓地、埋葬等に関する法律」では「埋葬または焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域にこれを行ってはならない」とあります。つまり、ご自宅の庭に昔からお墓がある場合を除いて、そこにお墓を建てることは不可能です。この法律は戦後に作られてほぼ変わっていません。
ですから土葬による伝染病の影響などが考慮されています。ほとんどが火葬になった現代には、合っていない部分が多いのも納得できます。
ちなみに昔のお屋敷には、庭にお墓がありました。
日本庭園にある五重塔や十三塔も、元々はお墓の意味で建てられていました。 -
なぜ戒名を赤く塗っているの?
A.
「不老長寿の願い」が込められています。
お墓には建立者が刻まれていますが、その方が生きている間は、名前を朱色にします。これは元々、生前墓(寿陵)の戒名部分に朱色を入れることが、いつの間にか名前にも朱を入れるようになったのでしょう。
そもそもこの習慣は中国から伝わったとされています。
秦の始皇帝の時代、「不老長寿」の元とされていた水銀。
その水銀の原料は朱色の「丹砂」というもの。これを生前墓の文字に入れていたようです。その後、この風習は日本に伝わり、古墳の石棺の内側にも朱が塗ってあります。
これが朱文字本来の意味とされています。 -
ペットのお墓ってどうすればいいの?
A.
火葬やペット用のお墓・納骨堂など最近はさまざまです。
家族同様に暮らしてきたペットが死んでしまったら、どんな風に弔ってあげたいと思いますか?昔と違って今はさまざまな方法があります。
まず火葬は一般的になってきました。
今では市の斎場でも受付けてくれるところがあります(相場は五千円~三万円)。
またペット専用霊園もあります。この相場は10~30万円。中には百万円を越すものもあるようです。
また遺骨を収納できる自宅用のお墓や、ペットの墓と一緒に建てられる墓地もあります。 -
なんでお墓を建てるの?
A.
大切な人の幸せを祈っているから(だと思います)
人は死んだらどこに行くのでしょうか?
たぶん「あの世」という所で生きていて、そこから私たちのことを見守ってくれていると私たちは信じています。
だから、お仏壇やお墓で対話したり、安心したりするのだと思います。私たちは手を合わす時、「安らかに・・・」と願います。
また亡くなった人も、「あの世」から私たちの幸せを願ってくれています。(私ならそうします)
このお互いの幸せを願う心を交換する場所、それがお墓だと私は思っています。
本当にお墓っていいものですね。 -
なぜ子供の供養にお地蔵様なのですか?
A.
お地蔵様が「あの世の親」となって子供たちを慈しんで下さっているといわれています。
私たちは、亡くなるとあの世でアミダ様が救ってくれると思っています。しかしそれは生きている時に念仏を唱えた場合のみ。
ところがお地蔵さまは、念仏に関係なく地獄まで出かけて行って必ず救って下さるといわれています。『賽(さい)河原地蔵和讃』には、幼くして亡くなった子供が三途の川のほとりで石を積んで石塔をつくっています。
それを見たお地蔵様が、「今日から我を冥土の親と思うべし」とうたわれています。