髙橋 圭司
本店の高橋です。
これは古い墓石の一部を利用した巻き石です。
皆さま、「見立て物」って聞いた事ございますか?
そもそも「見立て」という言葉は「選び定めること」という意味ですが
芸術の世界では「他の物になぞらえて表現すること」を言います。
桃山時代以降、お茶の文化の発達の中で、
庭に置かれる手水鉢にも工夫が施されるようになります。
お茶室に入る前に手を洗い清めるための手水鉢に、
古い石灯籠や宝塔の一部を使うことに風情を見出していたようです。
このような手水鉢が「見立て物」です。
今回は、ご先祖様の古く立派な墓石を全て処分してしまうのは如何なものか
という話から墓石の台石部分を墓地を囲む巻き石に「見立て」ました。
長い巻き石の真ん中辺り 色の違う部分がそれです。
元の墓石がこれで、その台石部分を利用しています。
開眼式にはご姉妹もお集まりになられ、ご満足して頂けました。