仕入れ担当の森田です。
前回は「世界の加工工場、中国」というお話と、「日本の石も中国加工」というお話をしました。今回は、中国加工と日本加工について、その特徴をお話したいと思います。
中国加工の特徴
中国で加工したものが本格的に日本へ輸入され始めたのは1990年代からです。
はじめのうちは、あまり加工が上手ではありませんでした。しかし、日本からの技術指導や旺盛な労働力で一気に成長します。
そして数年で製品の精度はみるみる上昇し、世界の加工工場として一定の地位を築きました。
中国加工のいいところは、短期間で製作し輸出するため納期が安定しています。また、複雑な加工もマンパワーで可能にしています。
同じことを日本でするととてつもなく費用がかかることも、しっかりとやってのけます。また世界中の石が揃っているため、あらゆるものに対応力は抜群です。
しかし、いいところばかりではありません。そんな中国加工も問題点があります。そのひとつがゴマカシです。
石に問題があった場合に不正に隠す「お化粧」と言われるもの。磨きにくいところを薬品などでカムフラージュしてしまうこともあります。また研磨の工程を飛ばして手を抜くこともあります。
こんなこともあり、中国の加工工場でも信用できるところと信用できないところがあります。
当然、信用出来ないところでは、今もこのような事がはびこっているのかもしれません。ですから、極端に安いものと言うのは信用できません。
建てるときは分からなかったゴマカシのあと。
(当社でもしあった場合は、すぐに取替えます)
日本加工の特徴
日本では、昔はどんな石材店でも原石を買って自社で製造していました。
今でも製造している石材店はありますが、その数はかなり少ないようです(当社でも一部製造しています)。
その代りに加工産地で加工するようになりました。有名なところでは、庵治(香川県)、北木(岡山県)、岡崎(愛知県)、真壁(茨城県)です。私たちの関西では、主に庵治か北木で加工することが多いです。
国内加工のいいところは、比較的納期が短いことです。運搬にも時間がかかりませんので、中国よりは加工時間は長いものの早くできます。
また、作っている人がお墓のことを知っている人なので、こちらとしても安心できます。そして何よりいいのは研磨の丁寧さです。
色合せが難しい庵治石は幾つもの中から選んで使う。
特に、研磨の工程は加工工場によりこだわりがあり、中国の工程にくらべてかなり時間を使っている工場が多いことです。
それによって、新品のときにはどこで作っても同じに見える墓石も、年数が経てばその違いはハッキリと出てきます。ここは最大のメリットです。
国内加工のデメリットとしては、中国に比較すると加工費用が少し高くなるところです。
とは言うものの、中国も近年人件費の上昇から少しずつ高くなっており、特殊な加工以外は価格の違いは少なくなってきました。