本の紹介「日本人は先祖をどう祀ってきたか」

2020年04月13日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

今日はちょっと真面目な本をご紹介します。
「日本人は先祖をどう祀ってきたか」武光誠著(河出書房新社)

この本の中では一貫して日本人がどのように先祖(死者)を弔ってきたかが書かれています。

大学の先生らしく、史実をしっかり述べられて、その上で当時の日本人がどのように感じ、時代が動いて行ってのかを分かりやすく書かれています。

私たち日本人は宗教に対してとてもあいまいな感情があります。

神様がどこかにいて、「正しい行いをすればきっと報われる」という考え方があります。

また、「ご先祖様が草葉の陰から見てらっしゃる」という風に、お墓や先祖供養に通ずる考えもあります。

また、信仰を聞かれると「○○宗○○派」とか「○○寺さん」など仏教が登場します。

そんな風に考えてしまう日本人のルーツが書かれていて、だからこんな風に考えてしまうのだなと納得できます。私たちの祖先はこれらのことを上手に使いこなしてきたのだと感じました。

現在の弔い方やお祭りの仕方は江戸時代以降に作り上げられたものにすぎません。

ですから昨今の家族構成から見れば、この仕組みを継続することが困難になるのはよくわかります。でも大切なことだけは見失ってはいけないと思いました。それは本書の中で、

「私たち日本人が日常的に『私は何か偉いものに見守られて生きてきた』と感じてきた点である」

とあります。それが神道では「神様」であり、仏式では「仏様」です。

この「自分」がいないところが日本人らしいと思いますし、今後も大切にしていきたいことだと思いました。

とても読後感のいい本でした。

お墓の展示場

展示会 次回は3月を予定しております。

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