12月からお世話になっている滝野店新規スタッフの河合です。
色々勉強中です。
今回は時々耳にすることがある『お墓に水をかけるのは良い?悪い?』についてお話したいと思います。
お墓にお水をかける意味について
餓鬼の喉の渇きを癒すため
仏教では、死後の世界の中の一つに「餓鬼道」というものがあります。
宗旨宗派にもよりますが仏教では人は亡くなられたあと、6つの世界を輪廻(りんね)すると言われてます。
その6つの世界の中の餓鬼界(がきかい)という世界にはお水がないため、ご先祖様が喉が渇いて苦しまれています。
仏教では水のことを閼伽(あか)と言って、あの世での飢えの苦しみから救う供物の意味がありますので、お水をかける事で少しでも渇きから救う行為とされてます。
また、お墓にかける水は、墓の周辺をうろついている餓鬼(がき)への施しとも言われています。
餓鬼はつねに飢えており、普段は水を飲むこともできないのですが、お墓にかけられた水は飲むことができるといわれています。
仏教的にいいますと、墓石に水をかけるのは、そのような餓鬼にすら水をあげるという仏様の慈悲の心を象徴する行為といわれています。
墓石を浄めるため
お墓参りはご先祖様や故人への日頃の感謝の気持ちを込め、墓石やその周辺を綺麗に掃除します。
その際に、お水をかけることが墓石を浄める行為とされています。
お墓は普段、雨や雪などの悪天候にさらされ、日中は強い日差しを浴びることも少なくありません。
そんなお墓を故人そのものとして大切に扱う風習もあり、汚れてしまった墓石を水で綺麗にすることが供養の一つと考えられているのです。
また、ご先祖様の魂をお呼びするためにお墓に水をかけるという説もあります。
墓石に水をかけ清めることが合図になり、ご先祖様の魂がお墓参りに来た人の前にあらわれるともいわれてます。
お墓にお水をかけない意味について
お墓そのものを故人として扱うと先述したように、墓石は建立した時に開眼供養(お性根入れ、お魂入れ)を行い、墓石に仏様の心(魂)を入れる法要を行いますので、その時点で墓石=故人そのものになります。
お墓にお水をかけることは同時に故人やご先祖様へお水をかけてしまうことにもなります。
そのため、「冷や水を浴びせる」行為として、ご先祖様への侮辱に値すると考えることもあります。
こういった場合は直接お水をかけるのではなく、濡らしたタオルなどで墓石を拭いて浄めるという習慣がある地域も。
また、体の汚れを落とす様にタオルなどで優しく墓石を拭くことで、よりご先祖様や故人を側に感じられるためという理由もあります。
『お墓にお水をかける』行為と『お墓にお水をかけない』行為はそれぞれ、歴史や地域の習慣によって違います。
お寺にお世話になられているかたは、ご住職様にご相談されるといいかもしれません。
また、そのお家の代々の考え方もありますので、ご家族に相談されるのもいいでしょう。
どちらが正解というものはございません。
お墓を建ててそのまま放置するのではなく、お墓に行き、お墓を掃除してキレイな状態に保ち、ご先祖様や故人を思いながら、手を合わせる。という気持ちが大事なのではないでしょうか。