滝野店の河合です。
「ご先祖様が代々眠っているお墓、もしも自分が入るとなった時にいっぱいだったら?」
「そもそもお墓は何人まで入られる?」
お墓に関してお客様からそのようなお声をいただくことがあります。
もし実際にそのようなことになったらどうしたらよいのでしょうか。
お墓に関する法律には「墓地埋葬法」がありますが、これはお墓の設置などについて定めた法律であり、1つのお墓に何人で入りましょうといったことを定めた法律ではありません。
つまり、お墓の大きさという物理的な制約はありますが、法律として定められている定員は存在しないのです。
これに加えて先祖代々の何代目までお墓で祀りましょう、という決まりや習慣もありませんから、お墓に入っているお骨の数はお墓それぞれで異なります。
お墓は大きなものから小さなものまで、その大きさは様々ですし、お墓が受け継がれてきた時間が長ければ長いほど、中に納められているご先祖様のお骨の数も多くなります。
そのため、お墓が定員間近かどうかは、当然のことながらそれぞれのお墓により異なっているのです。
では、実際に何人がお墓に入れるのでしょう。1人当たり必要となる空間は、ごく一般的なお墓の納骨室(カロート)ですと平均6~8人程のお骨を納骨することができますが、前後左右のスペースを有効に使うことで、最大10人まで納められる場合もあります。
これは、先祖代々お墓を承継した方が夫婦で納骨され続けたと考えて、3~4代が眠っている計算になります。
ご葬儀も滞りなく済み、納骨しようとお墓を開けた段階で既に納骨室(カロート)がお骨でいっぱいだった、というケースも実際にあることなのです。
そのような時は一体どうすればよいでしょうか。
もう納骨室(カロート)がいっぱいなのだから、新しいお墓を建てなければと考えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
納骨室(カロート)がお骨でいっぱいになった時点でご遺骨を取り出して、木綿のさらしやガーゼといった天然素材製の袋の中にご遺骨を移し纏める事で、新たに納骨室の空間を確保することができます。この天然素材製の袋は長い時間をかけて土に還っていきます。
それでもいっぱいで新たにご遺骨を納めることができない時はご遺骨を他の場所に移動させることも考えなくてはなりません。
一般的に弔い上げとなる三十三回忌または五十回忌が済んだご遺骨は、墓地の中の共同墓地や永代供養墓などに移すことも考えられます。
ただし、こうした場合は他の方と一緒に納骨されますので、後になってから自分たちのご遺骨だけを取り出すことはできなくなります。
ご家族や親族同士でよく話し合いきちんと納得した上で移すことを決めましょう。