仕入れ担当の森田です。
先日、ある方に「石の魅力が分かるいい本ないですか?」
と難しいことを言われまして、この本をおすすめしました。
それが「石造研究 池上年の世界」です。
石造美術の本はたくさんあります。
代表的なのがこの本「日本仏塔」です。
デカイです。
2冊になっていて、写真と解説があります。
一時、古本市場では20万円を超えていた代物です。
最近は3万円前後で落ち着いています。
さて本日ご紹介します「石造研究 池上年の世界」はこちらです。
日本仏塔の著者でもある石田茂作さんの監修です。
収められているものには、石田さんとの共同作品も多くございます。
日本仏塔はその名の通りお墓が中心です。
こちらは灯籠から仏像や石塔に至るまであります。
池上さんの石とのスタートは灯籠でした。
その出会いは本文によると、
「大正13年皇太子ご成婚式に岡崎市が石灯籠一対を献上することに決め、たまたま市内で美術教師をしていたわたしが、設計を頼まれたときからである。」
この灯籠は今も赤坂離宮にならんでいるとのこと。
この写真集は500部しか作られておらず、その一冊が当社にあるのは大変嬉しい限りです。
この本の中に私の大好きな一節があります。
石は硬いにかぎる
硬い石を使って
太い指で押さえたような
石の柔らかさが
内側から出るようで
なければならない
この言葉に出会い、叩いた石を見るたびにこの言葉を問うようになりました。
これも古本市場にはまだありそうです。