仕入れ担当の森田です。
古い狛犬を見に行く企画の第2弾は、山南町大河です。
こちらは明治43年11月建立
綿貫重吉さんの作品です。
当時は重吉さんは47歳、まさに脂が乗りきった時期のものです。
その作りの緻密さは素晴らしいです。
また保存状態がとても良く貴重な資料です。
胴の部分がとても滑らかに仕上げられています。
小叩き仕上げから更に手を入れているのかもしれません。
たてがみには細かい叩きの跡がしっかりと残っています。
狛犬(向かって左)の左前足であやしている子獅子が愛らしいです。
このあたりも綿貫さんのセンスを感じます。
獅子(向かって右)の方も見てみましょう。
右前足で踏んでいる鞠(まり)が凝っています。
中にはさらに玉が入っています。
これは補修の跡があるため、後補の可能性があります。
それにしてもキレイに仕上げられています。
どちらの前にもありますのがこの模様・・・。
少し調べてみないとわかりませんが、扇子のようにもみえます。
日本では扇子を前において挨拶をする習慣がございます。
とっても粋です。
さらにこちらの狛犬には珍しいものが・・・。
それはオスとメスの区別があるのです。
ムムム、ここまでするとは・・です。
そしてこの基壇も立派です。
三段の石積みに台座が乗り、その上に花台型の台となっている。
綿貫重吉さんの最高の作品と言えるかもしれません。