こんにちは、本店スタッフです。
私の好きな色はずばり赤なのですが、それとは別に子供の頃折り紙の中に入っている「ぼたん色」が特別感があって好きでした。
いつも使っているクレヨンや色鉛筆には入ってなかった牡丹色。今まで知らなかったその色に一瞬で心を奪われました。
牡丹色はこんな色ですが、私が好きだった折り紙の牡丹色はピアニーの方が近いです。
色の由来はもちろん牡丹の花なのですが、この牡丹の花は獅子とセットで描かれることが多いです。家紋にも「秋田牡丹 / 獅子に牡丹」というデザインがあります。
百獣の王である獅子と百花の王の牡丹、王様同士で最高におめでたい組み合わせです。この組み合わせは能楽の演目「石橋」にも出てきたり、「梅に鶯」「紅葉に鹿」「竹に虎」などと同じように、調和のとれた美しい組み合わせなのです。また、獅子と牡丹には他にもこんなお話があります。
あるところに獅子くんがいました。
獅子くんは無敵でしたが、唯一恐れているものがありました。
それは「獅子身中の虫」という、獅子の体毛に寄生して皮を破り肉をむしばんでいく恐ろしい虫です。
さて、このイヤな虫ですが実は牡丹の花から滴り落ちる露にあたると死んでしまうというまさかの弱点があったのです。ですから、獅子は虫に露があたるように牡丹の花の下で休むのです。
獅子の安寧の地は牡丹の花の下。そして、牡丹の方も獅子が傍に居れば花も摘み取られずにすむという、今でいうWin-Winの関係というやつですね。
※「獅子身中の虫」は仏教語であり、語源は梵網経の中に出てきます。獅子の身体を間借りしておきながら、攻撃をするというところから 仏教の教えの恩恵を受ける仏教徒が仏教を裏切り、仏法を破壊する という意味で使われています。
お寺の彫刻や屏風・日本画・焼き物から刺青まで、色んなところで使われているこの組み合わせ。もし見かけた際はこのお話とイヤな虫のことも思い出してみてください。