本店の義積です。
9月も後半になり、朝に霧が出るようになりました。
私が見る秋の定番の風景です。
真っ白な世界がいつもと違う風景になって目に入ります。
通勤しながら、この風景を撮りに出かけたいとウズウズしているこの頃です。
さて今日は寿陵墓(じゅりょうはか)のお話です。
生きてる間にお墓を建てる寿陵墓、生前墓があります。
終活のひとつに自分が入るお墓を考える方が増えて来ました。
ひと昔前であれば自分の死を考える事は、縁起が悪いと思われがちでした。
数年前の私もそう思っていました。
古代中国では、生前にお墓を建てる事は長寿を授かる縁起の良いものでした。
有名な吉田兼好(よしだけんこう)の「徒然草」には、聖徳太子が生前にお墓を建てたという話があります。
「日本書紀」にも日本最大の前方後円墳を建てた仁徳天皇の墓を作り始めたという記録もあります。
1500年以上前よりお墓を作る風習があったのですね。
古墳は短期間で出来るものではありません。
亡くなられてから工事を始めていたら、埋葬はいつのことやらですよね。
昭和天皇が崩御された時、2月24日の大喪の礼(天皇の葬儀)の後、その日の夕方に埋葬されました。
事前に造っていなければ不可能です。
もし、本当に縁起が悪いのであれば昭和天皇のお墓を生前に作るはずがありません。
寿陵という漢字も縁起が良い言葉でできています。
「寿」という字は長寿や長命など、長生きを表す意味で使われる、おめでたい言葉です。
「陵」という漢字は、「みささぎ」や「はか」と呼び「墓」の意味があります。
この字が表すように寿陵墓は大変おめでたいものなのです。
また、それ以上に自分の好みのお墓を作れる事が最大の利点です。
時間的な余裕があるなかで霊園探しや墓石選びができるので、満足のいくお墓作りができます。
デザインや石の種類の選択、また彫刻内容の決定など、さまざまな事を時間をかけて行うことができます。
次に家族の負担の軽減ができます。
身内が亡くなったとき、「すぐにお墓を建てたい」と思ってもすぐにご希望に合う霊園がみつかるとは限りません。
そう考えれば、先に決めておけば安心です。
また墓は、課税の対象にならないので、相続税対策ができます。
お墓は「祭祀財産」と呼ばれ、土地や建物などの不動産、また預貯金とは区別されています。
「祭祀財産」には相続税がかからないため、生前にお墓を購入しておけば、その分の費用を節税することができます。
「自分が入るお墓は自分好みのものが良い」
「お墓は大きな買い物なのでじっくり選びたい」
そうなると、よりよい人生にするために、生前にお墓を考える方が増えてきているのも不思議ではないですね。