こんにちは。本店スタッフです。
先日、ザクロのジュースを飲んでいて「ザクロは人の味と聞いたことがあるけど、何でだろう?」と気になりました。
グロテスクな例えですが、熟して爆ぜたところが人間の断面図っぽいから?(江戸川乱歩の小説にもそういった表現が出てきた記憶があります)
それとも本当に人肉はザクロに似た味なのかも?
と、調べてみたところ実はお釈迦様に関係があるのです。
─その昔、訶梨帝母(カリーティ)という一人の母がおりました。
彼女には千人も子どもがいたのですが、鬼女で凶暴な性格をしていた彼女は、人の子を見つけては食べてしまうという、実に恐ろしい所業を繰りかえしていました。
そんな噂を耳にしたお釈迦さまは、ある日彼女の子どものうち一番可愛がっていた子をこっそりと隠しました。
子どもがいなくなり、悲しみのあまり狂ったように嘆きながら必死に我が子を探しまわる彼女でしたが、お釈迦さまの神通力によってどうしても見つけることができません。
とうとう訶梨帝母はお釈迦さまに救いを求めます。そこでお釈迦さまは「自分は千人もいる子どものたった一人がいなくなっただけで、こんなにも嘆き悲しんでいるではないか。ひとり子を食われて失った人間の親の悲しみはどれほどであっただろう。今ならその気持ちがわかるのではないか?」と厳しく諭されました。
こうして彼女は深く懺悔し、子どもを守る誓いを立てて仏教に帰依するところとなりました。この訶梨帝母こそ、安産・子育の神として祀られる「鬼子母神」なのです。
さて、ここからが重要です。
─彼女が悔い改めたのでお釈迦様は子どもを返してやり「これからは子どもの代わりにこれを食べなさい」とザクロをお与えになりました。
これがザクロ=人肉の味と言われるようになった所以です。ただし、この最後の部分は日本独自の俗説なのだそう。
また、鬼子母神様の絵や像を見ていただくと手に何かを持たれています。これは「吉祥果」という(おそらく)架空の果物です。
ですが、日本ではザクロという事になっております。
それはインドから中国へ仏教が伝わり、翻訳される際に中国の人は吉祥果がなんなのか分からず、仕方ないので形の似ているザクロということにしたからだそうな。
カリンの時も思いましたが、どうにも中国に渡った際に違うものにすり替わる率が高いですね。
ちなみに私は、ザクロのシロップ(グレナデンシロップ)とジンジャーエールを混ぜたノンアルコールカクテル「シャーリーテンプル」が非常に好きです。