古い狛犬を見に行く@山南町大河

2023年09月21日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

古い狛犬を見に行く企画の第2弾は、山南町大河です。

 

こちらは明治43年11月建立

綿貫重吉さんの作品です。

当時は重吉さんは47歳、まさに脂が乗りきった時期のものです。

その作りの緻密さは素晴らしいです。

また保存状態がとても良く貴重な資料です。

胴の部分がとても滑らかに仕上げられています。

小叩き仕上げから更に手を入れているのかもしれません。

たてがみには細かい叩きの跡がしっかりと残っています。

狛犬(向かって左)の左前足であやしている子獅子が愛らしいです。

このあたりも綿貫さんのセンスを感じます。

 

獅子(向かって右)の方も見てみましょう。

右前足で踏んでいる鞠(まり)が凝っています。

中にはさらに玉が入っています。

これは補修の跡があるため、後補の可能性があります。

それにしてもキレイに仕上げられています。

 

どちらの前にもありますのがこの模様・・・。

少し調べてみないとわかりませんが、扇子のようにもみえます。

日本では扇子を前において挨拶をする習慣がございます。

とっても粋です。

さらにこちらの狛犬には珍しいものが・・・。

それはオスとメスの区別があるのです。

ムムム、ここまでするとは・・です。

 

そしてこの基壇も立派です。

三段の石積みに台座が乗り、その上に花台型の台となっている。

綿貫重吉さんの最高の作品と言えるかもしれません。

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