森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
今日は、「何でお墓は昔から大切にされてきたの?」という素朴なテーマについて、私の主観も含めお話したいと思います。ただ、私は宗教者でもなく高尚な人物でもありませんので、ご容赦下さい。
たぶん、亡くなった人を大切にするといいことがある
まず、率直に冒頭のテーマにお答えしようとすると、こんなことになります。
お墓は日本に仏教が入ってくるず~っと前から土着の信仰という形でありました。人間が死者を弔うのはネアンデルタール人からと言われており、日本では縄文時代の遺跡である青森の三内丸山遺跡が有名です。三内丸山遺跡には埋葬の跡(つまりお墓)が残っています。
私も遺跡に訪れたことがありますが、ここではメインストリートとされている道の両側がお墓になっています。毎日、漁に出かけるときに、彼らを見送り出迎える位置にお墓があります。毎日死者の前をわざわざ通る設計になっていたんですね。
きっと太古の昔から、「亡くなった人を大切にするといいことがある」って知っていたのかもしれませんね。
ネアンデルタール人とお墓
考古学者の長澤先生によれば、最古のお墓はシリアのデデリエ洞窟で確認されているそうです。約6万年前のものです。通常であれば、死体は小動物などに食い荒らされてバラバラになるところですが、全身の骨が見つかったということは、穴を掘って埋葬するか、石で囲んでフタをしないかぎりこのような状態は維持できないということで、最古のお墓ではないかと言われています。
このネアンデルタール人、現代人よりも頭の容積が大きく、非常に知能が発達していたと言われています。私の主観ですが、ひょっとすると彼らは、現代の私たちが見えているものや聞こえているものとは別の何かまで察知していたのかもしれません。
お墓と仏教はどうなの?
でも仏教とお墓って密接に関係しているように思いますよね。
人が亡くなったらお葬式をしてもらいます。そして荼毘に付され、お墓に納骨されます。この間のお世話はすべてお坊さんがしてくれます。さらにはその先の法事もすべてお世話になりますので、仏教とお墓は切っても切れない関係ですね。
しかし、もっと古くからの土着信仰なら、実は仏教は関係ないのでは?とも思ってしまいます。それを結びつけるキーワードが「相性が良かった」ということではないでしょうか。
自然に仏教が浸透したのかなあ
仏教では幸せになるためには徳を積むという考え方があります。徳を積むとは、塔を建てる、お経を読む等色々ありますが、最も簡単な方法は先祖供養、つまりお墓参りだったのではないでしょうか。そんな考え方と、昔から死者(ご先祖さま)を大切にしてきた庶民の考え方が自然とマッチして浸透していったとも考えられます。
仏教の教えと古くからの信仰は、おそらく非常に相性が良かったのでしょうね。
実は風水とも相性抜群
大昔の日本にとって中国は最先端の国でした。仏教もしかり、様々な思想が中国よりもたらされました。そして風水もその中に含まれていました。
風水思想では親孝行をとても大事にしています。その親孝行の最たるものが、お墓づくりと墓参りだったのです。京都の町づくりが風水に基づいて作られたというのは有名ですが、風水ではお墓づくり(良い墓地を探すこと)も大きなテーマになっています。
良い場所に建てることで子孫繁栄や家庭の安定につながると考えられています。「お墓は一家の根」という思想ですね。このことからも、日本人のお墓参りの習慣がよくマッチし、大切にされてきたのでしょう。
運が良くなるお墓参り
以上のことからも、日本でお墓を大切にされてきたのがいかに自然なことだったのか分かります。
先日ある著名な方が、
『運の良い状態を継続させるために何かされていますか?』
という質問に対し、
『「お水取り」「親孝行」「お墓参り」の3つは心がけています』
とお答えされていました。
私はこの話を聞いた時にとても嬉しくなりました。日常、科学的なことをされている方でも、こういう方もおられるんですね。でも、日本中の多くの人も、言葉には出さないけれども同じ様な考え方のベースがあって今日までお墓が大切にされてきたのかもしれないですね。
マユツバものかもしれないけれど
といことで、お墓を大切にするときっといいことがあると思えてきました。現代人の私たちは何か理屈がないと納得出来ないことが多いですが、こういうことって目に見えるものでもなく、科学的に証明されているものでもないのでマユツバものになってしまいますが、先人の知恵を借りようとするならば、お墓参りをして損はない気がします。今後も日本の中でお墓を大切にする文化が守られれば運の良い状態がず~っと続くことでしょうね。