滝野店の福島です。
先日、あるお客様から霊標(墓誌)に故人の戒名などを彫刻する「追加彫刻」のお仕事を承りました。
その際に「享年と行年のどちらが正しいの?」との質問をいただきました。
享年と行年の違いを一般的な考え方から比較してみますと、
- 享年(きょうねん):天から享けた(授かった)年数という意味を持ち、数え年で考えられることが多い。
- 行年(ぎょうねん):生まれてから経た(修行した)年数という意味を持ち、満年齢で考えられる事が多い。
調べる資料や発言する方によっても解釈が違うため、享年も行年も数え年という考え方もあります。
どちらも亡くなった方の年齢を意味する言葉ですので、どちらでないとダメということもなく、葬儀を勤められたご住職の考え方にお任せする事が多いのかと思われます。
基本的には葬儀の際の白木の位牌や、お仏壇の位牌などに書かれている文字や年齢に合わせて彫刻します。
既にご先祖様のお名前が刻まれている場合には、彫り方を合わせるために、享年で彫られていれば享年に、行年で彫られていれば行年に合わせる事になります。
享年=数え年・行年=満年齢という説と、享年も行年も数え年で意味合いだけが違うという説があるため判断が難しいですが、日常使用しているのが満年齢でありますので数え年の年齢を見ると違和感を持つ方も多いようで、最近では分かりやすいように満年齢を用いる事が増えているようです。
結論としましては、どちらが正しいといった正解は無く、ご先祖様を参考にご住職の考えに委ねていただくのが間違いないかと思います。