緑色の石

2018年05月20日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入担当の森田です。
今月の「月刊石材5月号(石文社)」に興味深いお話が載っていました。お話をされていたのは札幌医科大学客員教授の大島直之氏でした。著書には「縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか(国書刊行会)」があります(←まだ読んでません)。インタビューでは「縄文人の世界観」というテーマでお話しされていました。
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生まれかわりを意識していた
縄文時代に作られたお墓というべきか祭祀場なのかは分かりませんが、環状列石(ストーンサークル)や貝塚などの形は丸く再生を意識して「子宮をかたちづくったもの」なのだそうです。人間の本能としてお墓や埋葬が今のようになったのかもしれません。
再生するために
神話の中に登場するものとして「月」「女性のお腹(子宮)」「お腹を満たす水」「水を月から持ってくる蛇」が再生のシンボルなのだそうです。縄文人にとって大切なことは「どうしたら死なないか、どうしたら死んだとしても再生するか」、彼らは亡くなっても再生を考えていたので、今よりも死と生は地続きな発想だったのかもしれません。
勾玉の緑
三種の神器といえば、「剣」「勾玉(まがたま)」「鏡」ですが、縄文人もおそらく知っていたのではないでしょうか。出土品には全国からヒスイの勾玉が発見されています。大島先生によれば、縄文人はヒスイの緑色に「再生」を見ていたのではとのこと。石の剣や石棒も緑や青が多く、赤や黒もあるようです。いずれにしても「再生」がかなり意識されていたらしいのです。
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墓石は緑がいい?
こんな話を読むと石屋の私としてはウズウズします。お墓の隠れた意味というか、私たちが知らない深い意味がお墓にはあるのです縄文人にすれば、お墓向きな石の色は「緑色」だったようです。私たちもこんな観点から石をご紹介出来れば本当にいいと思います。
ちなみに緑色の石で代表的なものは以下です。
日本産…本小松石、神鍋石(採石してません)、竜山石など
外国産…M1、M1H(インド)、万年青、G612(中国)、オリーブグリーン(南アフリカ)
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他にも沢山ございます。特にインド産は良質なものが数多く産出されています。
今日は縄文人の話から緑色のお話になってしまいました。
私も緑色の石好きになってしまいました。

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