森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -

晋山式

2017年04月30日 08:00

園中 憲二
園中 憲二
篠山店の園中です。
いつもお世話になっている、お寺のひとつ、篠山市上板井にある弘誓寺(天台宗)さん。
実は、こちらのご住職はいままで通いでした。それがこの春からこちらに定住され、正式にご住職として着任されることになりました。
正式なご住職になる式『晋山式(しんざんしき)』が5月14日に行われます。
zazen_obousan.png
晋山式とは、新たに住職となった僧が、お寺さんや檀家さんを招き、ご本尊様に晋山《「晋」は進む、「山」は寺の意》報告をする儀式です。
この晋山式の日と同じ日に行われるイベントがあります。なんと、”弘誓寺で”ジャズライブ”が開催されます!
Cafe-Take5.jpg
このライブは住職の晋山式(しんざんしき)を兼ねて、1年前のオープンした弘誓寺山門の「カフェ Take5」とコラボしたジャズライブ♪
ピアノと箏と二胡のセッションとのこと。
IMG_2544 (1).JPG
檀家さんだけでなく、一般のお客様も入場可能です。
この機会に、ぜひ、お寺にお立ち寄り下さい☆彡

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石材加工パート2

2017年04月23日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

前回は原石の石を大口径という大きな機械で切断しました。

次に、切削した石の上面の周囲を、「水垂れ」加工をします。これは、石が平だと雨水がたまり水アカがつきやすいことから、このような加工にしています。

IMG_4340.JPG

さらに、この面をすべて磨いて台石は完成です。次に文字が彫刻してある仏石を再研磨します。削る厚みは1~2mmですので彫ってある文字には影響はありません。

これぐらい削ると水アカどはきれいに取れ、ピカピカの面がよみがえります。

IMG_4335.JPG

こうして全ての石を再研磨することできれいなお墓がよみがります。

※施行前
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この石を実際に建てたのが下の写真です。お墓を再度建てる時には、地震に強い免震施工を行いました。これで安心です。

※施工後
IMG_4383.JPG

今回のお墓のリニューアルは石の磨き直しでしたが、本当に生まれ変わった様になりました。まさに、リボーンですね。

お父様が40年前に作られたお墓を息子さんがメンテナンスをされました。こんなお墓の継承も素晴らしいなと思いました。

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宮沢賢治と石屋さん

2017年04月17日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
先日、研修で「石と賢治のミュージアム」に立ち寄りました。賢治とは宮沢賢治のことです。私は全く不勉強でしたので、彼がこんな風に石に関わっていたことを全く知りませんでした。
宮沢賢治は農業の専門家で特に土壌研究をしていたようです。当時の東北は酸性土壌で気候も厳しかったため土壌の改良が必要だったようです。彼は石灰岩を粉砕して肥料を作る東北砕石工場の社長と意気投合、そこで手伝うことになりました。
宮沢賢治ミュージアム_名刺.jpg
パンフレットに当時の名刺がありました。
商品名は「タンカル(肥料用炭酸石灰)」と命名、精力的に広めようと今で言う営業活動をしていたのかもしれません。
残念ながら、東京出張中に彼は倒れてしまいます。そしてその2年後、病状は回復することなく37才で永眠しました。出張に行ったトランクの中から、あの有名な一節が書かれた手帳が出てきたようです。
宮沢賢治ミュージアム_手帳1.JPG
列車の中で書き連ねたのかもしれません。
岩手県にはさほど有名な墓石に使う石はありません。しかし地層が古いため、この石灰岩や鉄鉱石、砂金など鉱物に恵まれています。
詩人だと思っていた宮沢賢治がちょっと近く感じ、昔の名作をもう一度読んでみたくなりました。

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供養の多様化?

2017年04月07日 08:00

森田 茂樹
森田 茂樹

弊社には葬儀会館があります。

そこでいつも葬儀をしておりますが、私がさまざまな葬儀を見ている中では、普通の方が葬送という儀式をないがしろにしているようには全く見えません。

以前よりも、近親者やご近所の方のお別れの仕方については、心のこもったお声がけなどをよく目にします。

こんな光景とは対照的に、よくワイドショーなどで見かける宗教学者が「ゼロ葬」を提唱しています。

「火葬場で拾骨をしなければ勝手に処理してくれるから、遺骨の心配もいらず、あとは何もお金はかからない」だそうです。

そして「高齢者の死は大往生、その死者のために遺族が功徳を積む必要はない」「親子はギブアンドテイク、親が子に受け渡すものが少なくなり恩が減った分、子が孝行する必要もない」というようなことが書かれています。

こんなことを言っている宗教学者がいるのは仕方ない(言論の自由なので)としても、その意見をもてはやすように取り上げるテレビやマスコミが残念でなりません。

さて、今から22万年前に古代ネアンデルタール人は遺体を埋葬していました。

古代人だから知能が低かったかといえば、そうではなく、むしろ今の人間よりも発達していたのではないかとも考えられています。

その根拠として脳の大きさがあります。現代人の脳の容積は1450cc、ネアンデルタール人は1600ccで、人類史上もっとも大きな脳を持っていたようです。その彼らが埋葬を始め、献花をし、石を置いていました。彼らの頭の中ではどのように理解されていたのでしょう。とても興味があります。

世界中でこれに近い習慣は累々と続いています。少なくとも死者を粗末に扱う民俗を私は聞いたことがありません。

一昨年から昨年にかけて「墓じまい」が急速に増えました。テレビの影響が大きかったのだと思いますが、今年に入りその数が減少しているようです。

もちろん仕方なく墓を撤去しなければならない方もおられますが、多くの人が「何かおかしいぞ」とお感じになったのかもしれません。

冒頭に葬儀のお話をしましたが、納骨の際も同様に感じます。凛とした空気の中で、しめやかに納骨されます。時には小さなお子さんも一緒になってされます。

近年、納骨をされている方は、昔よりももっと儀式を大切にされているように見受けられます。葬送のカタチは多様化しているといわれますが、送る気持ちは同じだと私は思います。

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大口径で原石加工

2017年03月06日 11:00

森田 茂樹
森田 茂樹

私の友人からお墓のメンテナンスの相談がありました。

お父様が一昨年お亡くなりになり、お墓参りに行くたびに「一番下の大きな台だけ汚れが取れにくい」とのご相談でした。

文字が彫ってある(仏石)と、その下の台(上台)は磨いてあるのに一番下の台(下台)だけザラザラしている?「40年前に親父が頑張って作ったお墓なので、きれいにして守っていきたい」と友人の思いを聞きました。

そして、お墓を確認しました。昔ながらのよくある作り方です。墓石全部を同じ石で作ると値段が高くなるため、一番目立たない台石だけ安価な石にしてあります。しかも磨かずに使うと価格も抑えられるのです。

昭和40年代までは、よく見かけた加工方法でした。そこで、

提案1.今の台石をもう一度研磨して使う方法
提案2.既存の墓石と同じ石で新しくする方法

友人からは、「プロから見たらどちらか良いの?」と聞かれました。

もちろん提案2の方が費用も多くかかります。しかし、この先で後悔だけはしてほしくなかったので、提案2の同じ石で新しく作ることを勧めました。

昭和40年代は、京都から福知山、丹波の地域は愛知県岡崎市の石が多く使われていました。

友人のお墓も岡崎市から採掘している「宇須石」と言われる石で、現在も庭灯籠などには、よく使われている石です。

この写真は、宇須石の原石を切っているところです。直径1.8mの円盤の刃にダイアモンドが付いたもので大口径というものです。

ブログ写真.PNG

切断が終われば、7~9工程ある研磨作業になります。続きは次回に書きます。

私が惚れ込んでしまった石

2015年09月11日 08:00

森田石材店
森田石材店
河原から大きな石を持ってきて、それに文字を彫っているようなお墓が昔はありました。
今でも残っていますが、中にはとても形のいいものがあります。
これは適当に拾ったものではなく、能勢石や小豆島石の形のいいものを選りすぐり作られたものです。
時代は変わって機械化が進み、石も切って好みの形に加工するようになりました。
それが今のお墓の形に定着しています。
でも不思議なもので、時代は一周して、また自然石を好む方が少しずつ増えてきました。
ご覧の石(下の写真)は宮城県の伊達冠石というものです。
伊達冠単品.jpg
この山の石は独特の黄色い皮があり、中の黒い部分は時を経るごとに茶色に深まっていきます。
この石に惚れ込んで、多くの芸術家が使用しています。
冒頭にご紹介した昔の自然石も、この伊達冠石も、無理に手を加えていない石の力の様なものを感じます。
自然のまま使えるのが一番魅力的なのですが、そのまま使える石は少なく、使うと無くなってしまいます。
そこで、自然の魅力を損なうことなく、大胆に作られたのが今回発表された「 玄 ~くろ~ 」シリーズです。
玄05(正面).jpg
上の写真が「 玄 ~くろ~ 」です。
普通の洋型の墓石に見えますが実際にご覧いただくとその違いが分かります。
石の表面の仕上げは水磨きという艶消しの仕上げです。
この技術は中途半端な磨きではなく、一度ピカピカになるまで仕上げた上で、
人の手で、砥石を使って丁寧にその艶を落とすことで生まれる仕上がりです。
ちょっとクドくなってしまいましたが、普段は石ばかり見ている「石オタク」が惚れ込んでしまった作品です。
今のところ限定1セットのみございます。ぜひ、触ってみて下さい。

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六地蔵様の役目

2015年09月09日 14:27

森田石材店
森田石材店
先日、小野市の墓地で六地蔵さまを新しく作り変えるお仕事をいたしました。
六地蔵さまは読んで字のごとく6体のお地蔵さまです。
それぞれに役割がございますが、ここの六地蔵さまはなんと12体もありました。
どういう事?!
実は以前に別の場所にもう1ヶ所墓地があり、2ヶ所の墓地が一つになったため
六地蔵さまが2セット並んでいたようです。
どちらのお地蔵さまも風化が進み、新しく作り変えることになりました。
古い六地蔵さまは供養塚に納め、ゆっくりしていただくことになりました。
長い間、お役目ごくろうさまでした。
さて、新しく六地蔵さまを新しく設置するにあたり、役員様から
「六地蔵さまの意味が分かる立て看板が欲しい」との依頼がありました。
試行錯誤の末、作った文章がこちらです。
六地蔵さまは、墓地にいるご先祖様を 守って下さっています。
六地蔵さまは、天界・人界・阿修羅界・畜生道・餓鬼道・地獄の六道それぞれの世界で
苦しむ人々を救うという役割があります。
また死者と生者との境界で、道祖神(外から疫病や悪霊の侵入を防ぐ神)のような役目もしています。
六地蔵案内板.jpg
この案内板はとても喜ばれ、入魂式に参列されたみなさんには、六地蔵さまの意味を改めて
知っていただけたかなと思いました。
この意味を理解してお墓参りができると、六地蔵さまにも、線香をあげて手を合わせたくなりますね。

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神様のこともいたします。

2015年09月07日 17:09

森田石材店
森田石材店
先日は、お社の設置がございました。
山の麓のご神木の前に、古いお社と交換で据付いたしました。
ご神木というだけあり、あたりの空気は凛としているようで、
見る人が見れば、なかなかのパワースポットらしいです。
日本人には元々地神さまに守られているという感覚がありますが、
ご商売をされているとにその辺りは大切にされます。
oyasiro1.JPGのサムネイル画像
実は沢山のギャラリーが見守る中、お性根抜きのあとすぐに設置いたしました。
弊社、平位と大江が緊張の中、テキパキと据えてくれました。
oyasiro2.JPG
その後、先生によるお性根入れの儀式に無事なりました。(写真は儀式前)
そんな予定ではなかったのですが、何故か私も玉串奉天をさせていただくこととなり、
2人の職人とともに緊張してやりました。
この商売のありがたいところでしょうか、施主様とともに我が社の発展も祈願していただき
お守りもいただきました。
末永く、商売繁盛、家内安全を見守りください。

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丹波石を加工中

2013年04月12日 16:03

森田石材店
森田石材店

2013-04-12 14.42.38 HDR.jpg丹波石の加工をしています。

これはある会社の看板になる予定です。
見た目にゴツゴツとしたイメージがする石ですが
磨くといいツヤが出ます。
それにしても大きい・・・。

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私は東北の石を応援します。

2011年03月25日 20:59

森田石材店
森田石材店

福島県、茨城県、宮城県は全国でも有数の石の産地です。

今、私が石屋として協力できることは東北の石を応援することぐらいです。
本当にいい石が多いにも関わらず、今まであまりご紹介できていませんでした。

稲田石(茨城)
白い貴婦人と呼ばれ、安定した材料が採れます。
有名なのは最高裁判所で、明治以降の数々の高級建築に使われています。
先月ご紹介した夏目漱石の墓もこの石です。

伊達冠石(宮城)
芸術家イサムノグチも使った銘石。
採石者の山田社長はこよなく石を愛する方で、私が大好きな社長のひとりです。
独特の侘びさびがあり、石に力があります。

浮金石(福島)
国内唯一の黒みかげ石。砂金の様な金が表面に浮いている銘石です。
標高1000m近くの丁場で採石量も少ないですがいい石です。

紀山石(福島)
大島に似た石で、当社でも人気があります。

他にも滝根石、真壁石小目・中目、羽黒青糠目石、吹雪石、磐梯みかげ、
あだたらみかげ他、沢山ありますがご紹介しきれません。

被災していない私たちが出来ることは、
①被災者の分まで働くこと
②お金を使う(さらに義援金もする)こと
③被災者が元通りの生活に早く戻れるように支援する(再開後の仕事をつくる)
と考え、このような企画を考えました。

被災地の多くの取引先や友人・知人に、今はどのように声をかけたらいいのか
分かりません。未だ安否不明の方もおられます。
ご無事と今後の復興を祈るばかりです。
そしてお亡くなりになった方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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お墓の展示場

展示会 次回は3月を予定しております。

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く