森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -
石に新しい命を入れました。
2011年01月15日 17:17
古くなった丸い石を加工し、灯籠の火袋部分を作りました。
火袋とは灯籠にロウソクの火を入れる部分です。
まず、石に大きな丸い穴を空け、火袋に欠かせない
『太陽』と『月』を彫りました。
灯籠を建てるということは、灯りをともすことが最善の供養
であるという意味が込められています。
しかし、一日中毎日火を灯すことは大変です。
ですので、太陽と月は朝も昼も灯りを灯す意味で
灯籠に刻まれています。
皆さんもお墓に行った時には是非ご覧になってみてください。
おそらく刻まれているはずですよ。
で、早速据付に行きました。
なんともいえない趣のある灯籠ができました!
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まぼろしの本御影石
2010年12月18日 06:45
今、記念碑を手がけていますが、
なんと石は「まぼろしの本御影石」です。
六甲山からとれる御影石は、
みかげ石の呼び名の
発祥になった石なので歴史がありますが、
六甲山が国定公園に指定されてからは、
採掘不可能となり今やまぼろしの石となっています。
今回、縁あって文字を掘り込んでほしいとの依頼があり、
「開」という文字を彫刻しました。
とても迫力がある文字なので、
この迫力を損なわないように、
気合を入れて彫っています。
機械掘り(サンドブラスト)だけでは
キレのある文字にならないので、
手彫り工法も取り入れて彫っております。
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子供達の思いを刻んで
2010年08月21日 15:27
8月21日
弊社本店近くの河土手に
今年も久下小学校の6年生を中心に
『恐竜アート』が完成しました。
今年はハート型の石の板に、
小学生が書いた寄せ書きを
刻んだものを作成しました。
朝からトラックで石を運び
クレーンでゆっくりと降ろします。
あとは、セメントの上に石を張り
微調整をしながら2枚の石を
ハート型になるよう合わせていきます。
ハートの石の周りには色々な色のタイルを
子供達が貼って恐竜の形にしていきます。
出来上がった恐竜アートはコチラ↓↓
皆さん、お疲れさまでした。
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お墓の水溜め
2010年03月13日 16:09
お墓には水溜めといって、お水をお供えする
場所がついています。(神戸型の場合)
この部分に水が溜まって困るというお話を
よく伺います。
確かに水をためる所ですから、雨の後には
そこに水が溜まります。
長期間お墓参りに行かなければ、そこにコケ
が生えて掃除もしにくくなります。
(最近は磨いてあるのでしやすくはなった。)
最近はこの「水溜め」を不要というお客様が、
少しずつ増えてきました。
その場合には、そこは平らなままにします。
そして、湯のみを置いて代用されている様です。
湯のみやガラスのコップで代用されている場合に
一番困るのがカラスです。
器には食べ物が入っていると思っているのかも
知れません。
よくある話ですが、一長一短あります。
お墓を建てる時や、建替えの際に、この点も
お打合せ下さい。
後からやり直すのは大変ですからね。
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お地蔵さん作りました
2009年11月21日 11:52
先日、お客様から
「可愛くておもしろいお地蔵さんが欲しい
とのご依頼がありました。
以前から可愛いお地蔵さんを作ってみたいと
思いつつなかなか機会がなく、やっとつくること
ができました。
さていよいよ作るとき・・・
頭の中のイメージは完璧だったのですが、
いざ四角い石を目の当たりにすると少々考えて
しまいました。
それでもイメージどおりにノミを入れていきました。
しばらくすると・・・
形ができるにつれて嬉しくなってきました。
特に顔を作るときには、何回も墨で書きこむのですが、
笑ってる顔を書くと自分も笑ってしまいます。
差し入れに来た妻が
「嬉しそうに作っとんやな~」
と言ったくらいです。
↑ニヤニヤの私(^-^)
今回の出来栄えはまずまず。
気に入っていただければいいのですが。
嫁に出すのが少し寂しいです。
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ベンチ
2009年10月19日 15:33
最近、古いものがいいものに見えて仕方ありません。
今回もそんな古い石を加工してみました。
西脇市にある神社の鳥居が新しく建て替わる
ということで、今まで建っていた古い鳥居が解体
され工場にやって来ました。
「このまま処分するのは”もったいない”・・・」
この鳥居が建てられたのは昭和16年。
その当時の鳥居は非常に高価なものだったと
思います。
寄贈された方の名前を少しでも長く残してあげたい!
そんな思いで考えついたのが、
鳥居のベンチです。
じゃ~ん!!
早速、うちの女性事務員に座ってもらいました。
その感想は・・・
『なかなかgoodです(^-^)
でも冬はちょっぴりお尻が冷たいかも!?』
このベンチはふたたび神社に据えつけられます。
これに座って新しい鳥居を眺めてほしいですね。
どこかで見つけたら
是非一度座ってみてください。
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丹波の名作 第一話
2009年05月01日 16:28
先日のこと友人から、
「『綿貫重吉(わたぬき じゅうきち)』さんの銘が
刻んであるお大師さん知ってるか?」
と聞かれました。
しかし、恥ずかしながら私はそんな作品が身近
にあることすら知りませんでした。
綿貫重吉は、祖父 森田藤四郎の親方でした。
丹波佐吉の弟子で、狛犬の名工であったと聞い
ています。
気になったので早速、見に行ってきました。
その仏像は話のとおり、とても優しく趣のある姿で、
地元の方も毎日お参りされているそうです。
その前に、
お大師さんは左手に数珠、右手に剣をお持ちです。
不動明王の役目もされているのでしょうか。
この作品は、100年ぐらい前のものだと思います。
石は「おんじゃく石」(蛇紋石)。
今の養父市大屋から出る石です。
「おんじゃく」とは但馬地方の方言とのことです。
(調べましたがよく分かりません)
初代・森田藤四郎が残した作品も、
この「おんじゃく石」が多いです。
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技能グランプリーが終った~
2009年03月23日 16:23
2日間にわたる10時間の戦いが終った。
ホッとした・・・・
が正直なところ悔しさもいっぱい湧いてきました。
自分の中では結構練習したつもりでしたが、
前回の優勝者に今回の練習量を聞いてみると
私の3倍だった。本当に驚きました。
すでにスタートで負けている・・・
意気込みが違う・・・
そして「練習でいかに本番の気持ちで取り組めるか。」
これで成果は大きく変わってきます。
分かりきっていることですが、それを実感しました。
本番中に叩いている最中に
「石の性格(石目)が少しずつ判ってきました。」
が、時すでに遅し・・・。
それに気がついたのはミスった後でした。
何をするにも取組む姿勢ですよね。(くやしい)
今回の課題で制限時間10時間というのは、
たいへん厳しいでしたが、そこがミソでした。
1.上手くつくるよりも、無駄を省くこと。
2.ダメな時はやり方を変える。
この繰り返しでした。
日常の仕事も同じことですね。
応援してくださった多くの皆さん、ありがとうございました。
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