森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -
私は東北の石を応援します。
2011年03月25日 20:59
福島県、茨城県、宮城県は全国でも有数の石の産地です。
今、私が石屋として協力できることは東北の石を応援することぐらいです。
本当にいい石が多いにも関わらず、今まであまりご紹介できていませんでした。
稲田石(茨城)
白い貴婦人と呼ばれ、安定した材料が採れます。
有名なのは最高裁判所で、明治以降の数々の高級建築に使われています。
先月ご紹介した夏目漱石の墓もこの石です。
伊達冠石(宮城)
芸術家イサムノグチも使った銘石。
採石者の山田社長はこよなく石を愛する方で、私が大好きな社長のひとりです。
独特の侘びさびがあり、石に力があります。
浮金石(福島)
国内唯一の黒みかげ石。砂金の様な金が表面に浮いている銘石です。
標高1000m近くの丁場で採石量も少ないですがいい石です。
紀山石(福島)
大島に似た石で、当社でも人気があります。
他にも滝根石、真壁石小目・中目、羽黒青糠目石、吹雪石、磐梯みかげ、
あだたらみかげ他、沢山ありますがご紹介しきれません。
被災していない私たちが出来ることは、
①被災者の分まで働くこと
②お金を使う(さらに義援金もする)こと
③被災者が元通りの生活に早く戻れるように支援する(再開後の仕事をつくる)
と考え、このような企画を考えました。
被災地の多くの取引先や友人・知人に、今はどのように声をかけたらいいのか
分かりません。未だ安否不明の方もおられます。
ご無事と今後の復興を祈るばかりです。
そしてお亡くなりになった方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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石に新しい命を入れました。
2011年01月15日 17:17
古くなった丸い石を加工し、灯籠の火袋部分を作りました。
火袋とは灯籠にロウソクの火を入れる部分です。
まず、石に大きな丸い穴を空け、火袋に欠かせない
『太陽』と『月』を彫りました。
灯籠を建てるということは、灯りをともすことが最善の供養
であるという意味が込められています。
しかし、一日中毎日火を灯すことは大変です。
ですので、太陽と月は朝も昼も灯りを灯す意味で
灯籠に刻まれています。
皆さんもお墓に行った時には是非ご覧になってみてください。
おそらく刻まれているはずですよ。
で、早速据付に行きました。
なんともいえない趣のある灯籠ができました!
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まぼろしの本御影石
2010年12月18日 06:45
今、記念碑を手がけていますが、
なんと石は「まぼろしの本御影石」です。
六甲山からとれる御影石は、
みかげ石の呼び名の
発祥になった石なので歴史がありますが、
六甲山が国定公園に指定されてからは、
採掘不可能となり今やまぼろしの石となっています。
今回、縁あって文字を掘り込んでほしいとの依頼があり、
「開」という文字を彫刻しました。
とても迫力がある文字なので、
この迫力を損なわないように、
気合を入れて彫っています。
機械掘り(サンドブラスト)だけでは
キレのある文字にならないので、
手彫り工法も取り入れて彫っております。
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子供達の思いを刻んで
2010年08月21日 15:27
8月21日
弊社本店近くの河土手に
今年も久下小学校の6年生を中心に
『恐竜アート』が完成しました。
今年はハート型の石の板に、
小学生が書いた寄せ書きを
刻んだものを作成しました。
朝からトラックで石を運び
クレーンでゆっくりと降ろします。
あとは、セメントの上に石を張り
微調整をしながら2枚の石を
ハート型になるよう合わせていきます。
ハートの石の周りには色々な色のタイルを
子供達が貼って恐竜の形にしていきます。
出来上がった恐竜アートはコチラ↓↓
皆さん、お疲れさまでした。
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お墓の水溜め
2010年03月13日 16:09
お墓には水溜めといって、お水をお供えする
場所がついています。(神戸型の場合)
この部分に水が溜まって困るというお話を
よく伺います。
確かに水をためる所ですから、雨の後には
そこに水が溜まります。
長期間お墓参りに行かなければ、そこにコケ
が生えて掃除もしにくくなります。
(最近は磨いてあるのでしやすくはなった。)
最近はこの「水溜め」を不要というお客様が、
少しずつ増えてきました。
その場合には、そこは平らなままにします。
そして、湯のみを置いて代用されている様です。
湯のみやガラスのコップで代用されている場合に
一番困るのがカラスです。
器には食べ物が入っていると思っているのかも
知れません。
よくある話ですが、一長一短あります。
お墓を建てる時や、建替えの際に、この点も
お打合せ下さい。
後からやり直すのは大変ですからね。
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お地蔵さん作りました
2009年11月21日 11:52
先日、お客様から
「可愛くておもしろいお地蔵さんが欲しい
とのご依頼がありました。
以前から可愛いお地蔵さんを作ってみたいと
思いつつなかなか機会がなく、やっとつくること
ができました。
さていよいよ作るとき・・・
頭の中のイメージは完璧だったのですが、
いざ四角い石を目の当たりにすると少々考えて
しまいました。
それでもイメージどおりにノミを入れていきました。
しばらくすると・・・
形ができるにつれて嬉しくなってきました。
特に顔を作るときには、何回も墨で書きこむのですが、
笑ってる顔を書くと自分も笑ってしまいます。
差し入れに来た妻が
「嬉しそうに作っとんやな~」
と言ったくらいです。
↑ニヤニヤの私(^-^)
今回の出来栄えはまずまず。
気に入っていただければいいのですが。
嫁に出すのが少し寂しいです。
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ベンチ
2009年10月19日 15:33
最近、古いものがいいものに見えて仕方ありません。
今回もそんな古い石を加工してみました。
西脇市にある神社の鳥居が新しく建て替わる
ということで、今まで建っていた古い鳥居が解体
され工場にやって来ました。
「このまま処分するのは”もったいない”・・・」
この鳥居が建てられたのは昭和16年。
その当時の鳥居は非常に高価なものだったと
思います。
寄贈された方の名前を少しでも長く残してあげたい!
そんな思いで考えついたのが、
鳥居のベンチです。
じゃ~ん!!
早速、うちの女性事務員に座ってもらいました。
その感想は・・・
『なかなかgoodです(^-^)
でも冬はちょっぴりお尻が冷たいかも!?』
このベンチはふたたび神社に据えつけられます。
これに座って新しい鳥居を眺めてほしいですね。
どこかで見つけたら
是非一度座ってみてください。
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丹波の名作 第一話
2009年05月01日 16:28
先日のこと友人から、
「『綿貫重吉(わたぬき じゅうきち)』さんの銘が
刻んであるお大師さん知ってるか?」
と聞かれました。
しかし、恥ずかしながら私はそんな作品が身近
にあることすら知りませんでした。
綿貫重吉は、祖父 森田藤四郎の親方でした。
丹波佐吉の弟子で、狛犬の名工であったと聞い
ています。
気になったので早速、見に行ってきました。
その仏像は話のとおり、とても優しく趣のある姿で、
地元の方も毎日お参りされているそうです。
その前に、
お大師さんは左手に数珠、右手に剣をお持ちです。
不動明王の役目もされているのでしょうか。
この作品は、100年ぐらい前のものだと思います。
石は「おんじゃく石」(蛇紋石)。
今の養父市大屋から出る石です。
「おんじゃく」とは但馬地方の方言とのことです。
(調べましたがよく分かりません)
初代・森田藤四郎が残した作品も、
この「おんじゃく石」が多いです。
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