森田石材店ブログ - 石工のひとりごと -
やっぱり庵治石は価値がある
2008年05月20日 22:41
長らく更新をサボっていました。申し訳ありませんでした。
先日庵治の展示会に10年ぶりに行ってきました。
終了2時間前に会場へ到着しましたので、客数も少なくなっていました。
テンションはチョッと下がり気味でしたが、空いていて見やすかったです。
さて展示会の内容ですが、石製品(庵治石)はとくに変わりはないように
感じましたが、機械屋さん・工具屋さんのあたりは変わりました。
大きな機械はすっかり姿を消し、代わりに洗浄機やメンテナンス工具が
主流になってきているのは、業界の現状を映し出しているようでした。
メーカーさんと話していてもやはり、
「お墓の磨きなおしの注文が増えている」とのことでした。
弊社もたまに「磨きなおし」をすることがあります。
しかし、けっこう値段もかかる割には、新品みたいにキレイになる石と
期待通りにはならない石があります。
私の今までの経験では、磨きなおして良くなるのは
やはり「庵治石」です。
しかも細目はいいです。(あくまでも私の経験です)
値段もスゴイですが、高いだけのことはあります。
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お墓見学・・・IN東京
2008年04月17日 08:56
昨年から参加してます、「十人の会」勉強会に行ってきました。
いつもはテキスト中心の講義が2日間あるのですが、
今回は夕食中に「白州次郎・正子夫妻」の話で盛り上がり、
2日目は白州夫妻の住まいだった「武相荘」(ぶあいそう)
へ行くことになりました。
個人的に「白州次郎」には以前から興味がありましたので、
大変期待して行きました。が・・・休館日でした。
ガッカリ。読みの如く「無愛想」でした。
次回の楽しみにとっておきます。
ちなみに外観だけは見ました。
寄棟造りで茅葺の家で、落ち着いた、上品な家でした。
さて、次に行ったのは、和田堀廟所「東本願寺別院」の墓地です。
有名な方では、「佐藤栄作」「樋口一葉(作家)」「古賀政男(作曲家)」
「レオナルド熊」「文明堂」「カルピス」等、立派なお墓が並んでいました。
いつも関東の霊園を見て思うことは、
「大きな墓所も小さな墓所も「日本庭園」を元に作られている」
ということです。
どのお墓にも植栽があり、花が咲いている所はとても温かみを感じます。
関西では戦後に墓相が広まった影響で、墓地から植栽が姿を消しました。
それに加えて、草が生えないように色々工夫しますので、
気がついたらチョッと冷たいイメージの霊園になっています。
私も毎日お墓参りに行く中で、「楽しみがほしいな~」と思っています。
花を植えればその成長が見れるし、植栽があれば剪定も出来ます。
飛び石や水鉢なども置いても楽しめるかも・・・。
と考えればお墓に行く楽しみも増えるように思います。
「ガーデニング」の要領で、うちのお墓改良してみようと思います。
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やっぱり皇居はすごい
2008年02月18日 18:35
先日の東京出張の時、夕刻の新幹線まで時間がありましたので、
皇居に行ってきました。
実は生まれて初めて行きました。
さて、まず行って見ての感想は、
①東京のど真ん中に広大な敷地(しかも全部デカイ)
②皇居前は車の騒音も遠く聞こえとても静かな空間
この2つにビックリしました。
実は以前から皇居には行きたかったのですが、ようやく実現しました。
それは「石積み」を見たかったからです。
皇居の石積みは、石の大きさこそ大阪城にはかないませんが、
そのつくりは見事でした。
特に「桜田門」は、大小の石が絶妙のバランスで組み合わされており、
また何種類もの石が使われてるため石の色が微妙に違っています。
意図的かどうか分かりませんが、「着物のかすり模様の様な柄」に見えて、
その美しさは言葉に出来ないぐらいでした。
やっぱりいい仕事してますね~。
近年、また日本美術(文化)が注目されています。
この石積み技術も、美しさと機能を備えた大切な日本の文化だと思います。
その他、社寺の木造建築、日本料理、呉服なども日本人の美が詰まってます。
しかしほとんど見ることができなくなってきてますね。
この「美」が今でも日常で使われているのは京都ぐらいかもしれません。
あらゆる物が「中国製」ばかりになって、本当にまずいですね。
私の身の回りも中国製であふれています。
せっかくこの国に生まれたのですから、日本人の美意識をもっと磨いて、
お墓づくりに生かすことができればと思っています。
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名前が刻まれるっていいですね
2008年02月09日 09:36
昨年の夏から継続的に入ってきた神社の工事も
大詰めを迎えてきました。
ご縁を戴いてもうだいぶなるので、宮司さんとも
たいへん親しくお話できるようになりました。
先日、宮司さんが
「森田さんこれ見てくれる」
とあるものを持ってこられました。
それは大きな木の板で、寄付者と工事業者の名前
が書かれていました。
そこには、
「石屋 森田石材店」
ではなく
「石屋 森田茂樹」
と書いてありました。
本当は「石工 森田茂樹」の方がかっこいいな
とも思ったのですが、贅沢は言えません。
でも、こうして自分の名前が本殿に掲げてもらえることは、
何とも有り難いことです。
何十年、何百年先でまた工事をされる時に、
息子や孫が目にすることがあれば、最高ですね。
私が小学校の時、遠足である神社でお弁当を食べました。
その時、狛犬の台座に
「石工 森田藤四郎」
と刻んであったのを見ました。
「すごい!名前が彫ってある。」と思ったと同時に、
「ほんまにおじいちゃんかな?同じ名前の人がいるのかな?」
とも思いました。
今でもその時の感動は覚えています。
今回あらためて、名前を刻むっていいなと思いました。
画家、書家、陶芸家etc・・・作品には名前が入っています。
私も「石工」として、これからも色んな仕事をすると思いますが、
自分の名が刻める作品をつくっていきたいですね。
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練習は成功の確率を上げるためのもの
2008年01月28日 17:00
昨日、兵庫県の石工技能検定が開催されました。
検定には1級と2級があります。
今回は県内から、1級に6名、2級に7名の計13名の方が受験されました。
弊社は、7年前から社員の技能士免許取得に力を入れています。
昨年末までで9名が2級技能士を取得していました。
そして今年、ようやく2名が1級にチャレンジしました。
どんな業界でも同じだと思いますが、1級と2級では大違いです。
石工の1級は、機械工具は一切使わず昔ながらの方法で、
「カッチン、カッチン」とノミを使って6時間で作品を完成させます。
この6時間が結構くせ者で、チョッとしたミスで修正に時間をとられます。
そうすれば十分な仕上がりは不可能です。
また大胆に加工すると取り返しのつかないミスにつながります。
ギリギリのところでやるしかないんです。
しかし「今の時代に手作業ですることが何の意味があるのか」
とお思いの方もおられるでしょうが、これが意味があるのです。
やはり石工にとって石を叩くことは大切です。
すべての答えはやはりこの単純な作業にあると体感します。
さて結果は、運良く合格できた者、運悪く落ちてしまった者に分かれました。
やっぱり「練習に練習を重ねること」しかないという事が、よくわかりました。
話は少し変わりますが、昨日の「大阪国際女子マラソン」の福士選手。
30キロ地点までは独走体制でしたが、ラスト10kmでペースが落ち、
結局フラフラの19位でフィニッシュでした。
確かに、あの状態で完走されたのはすごいと思いましたが、
マラソンの本格的な練習は一回もせずのチャレンジだと聞いて、
「一流の選手でも準備不足をするのだな」と思いました。
まして我々凡人は準備不足などもってのほかです。
それを痛感した一日でした。
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牛のツノが折れた
2007年12月21日 16:07
3年前に完成した三田市にある加茂神社の建設実行委員長さんから、
久しぶりにお電話がかかってきました。
「元気しとるか?」「ご無沙汰しております」という感じ。
「ところで、なんか良いことですか?」と尋ねましたら、
「いや~、牛のツノが折られたんや。お正月までに直してもらえへんやろか。」
とのことでした。
牛とは、神社につくった石の牛のこと。
実は製作するときから、
「もしイタズラされてツノが折れたら修理が大変なので、
ツノだけ別につくってはめ込みにしましょう」
と言っておりました。
「で、折れたツノはあるんですか?」
「それがないんや、だから困ってるんや」
とにかくお正月までにツノを作らなけれなりません。
このツノは大理石製で、急に用意が出来ないので私も困りました。
「念のため神社の周りをもう一度探してください」とお願いしました。
しばらくして、役員さんの必死での努力で、雑木林の中から
ふたつに折れたツノが発見されました。(奇跡です!)
しかし誰が神社の中の石造物を壊すのでしょうか。
よく墓石の一部を持っているとギャンブルに勝つとかいって、
墓を傷つける人がいますが、そんな感覚なのでしょうか。
どちらにしても、バチが当るぞー
さて翌日、ツノの修理に神社に行きました。
実行委員長さんと久しぶりにお出会いし「誰が折ったんやろ?」と話しているうちに、
次々と当時の役員さんが神社に来られました。
まるで同窓会みたいになりました。
ツノが折れたのは災難だったですが、その後見つかった話題で大盛り上がり。
年末のあいさつ回りの中、ツノが折れたお陰で、一度にたくさんの方と再会できました。
ラッキーでした。
墓石を販売する創業92年の株式会社森田石材店
丹波市・篠山市・多可郡・西脇市・加東市・小野市
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銘石を求めて~紀山石~
2007年12月04日 08:20
翌日は、福島県いわき市にあります「紀山石」の丁場に行ってきました。
伊達冠石の山からは車で2時間以上かかりました。
ここは採掘が始まって25年。
かなり深いところまで掘られていてビックリしました。
そして採掘場の小碕所長にお話を伺う事が出来ました。
私が山で気がついたのは、原石の採寸の仕方です。
少々形が悪いところは、寸法に入っていません。
またキズもかなり外してあり、とても紳士的に感じました。
いいものがつくれそうです。
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銘石を求めて~伊達冠石②~
2007年11月30日 09:40
伊達冠石の山を初めて見た印象は、
「気持ちいいっ!」(いきなり失礼致しました。)
山の上から広がる景色、石のオブジェ、原石の山・・・
どれもがとてもその場によくマッチしていました。
それもそのはず。
この山の社長である山田さんは、山を愛してやまない方。
だから皆にも「山を嫌いになってほしくない」という思いから、
採掘の残土を利用して展望台やオブジェをつくられています。
本当に、天気が良い時にはピクニックが楽しめます。
丁場の歴史は古く大正12年からで、現在四代目になられます。
「私の使命は、長年採掘したあとを美しい山に戻すこと」
「息子や孫たちが末永くこの山で仕事ができますように」
と話す山田社長がすごく印象的でした。
実は山田社長とは、総合民俗学の勉強会で知り合いました。
山の石屋さんでありながら、真剣にお墓のことについて
考えられる姿勢には脱帽です。
ということで2回に分けて伊達冠石を紹介してきました。
詳しくは http://www.datekan.com/index.html
をご覧下さい。
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銘石を求めて~伊達冠石①~
2007年11月28日 13:49
泥をかぶったような石。その名も
「泥かぶり石」
この石を切ってみれば、中は伊達政宗の兜のような黒。
しかしこれで終わりではなかった。
3~5年でこの石は、鉄のような輝きの最終完成形へと仕上がるのです。
宮城県と福島県の県境で「伊達冠(だてかんむり)石」は採れます。
「泥かぶり石」とはこの石の昔々の呼び名。
先日11月21日に、この山へ行ってきました。
伊達冠石は、つくりたては黒よりは濃紺に近い色です。
それが数年建つとキレイな鉄色(茶色)に変化します。
その理由は、石に含まれる鉄分。これが空気に触れて酸化されるのです。
その風合いがまさに◎。
このワビサビは他の石には到底出せません。
かの有名な芸術家イサムノグチが、この石を気に入っていたものうなづけます。
「ぜひこの石を使ってお墓を建てたい!」
そんな衝動に駆られ、思わず買っちゃいました。
トラック1車分の原石・・・。
久しぶりに自分自身の手で加工しようと思います。
この石の作品、出来たらまた皆さんにご報告いたします。
次回へ続く・・・。
恐竜モニュメントの完成
2007年11月06日 09:21
11月3日、待ちに待った「ふれあい親子恐竜」の除幕式が開かれました。
すばらしい雲ひとつない秋晴れの中、親子恐竜がお目見えしました。
自分で作ったので、何度も見ているのですが、改めて微笑ましい心なごむ恐竜となりました。
今回、この恐竜モニュメントを手がけさせていただき、大変勉強になりました。
最初は、石で恐竜を作ることばかりに気をとられて、なかなか前に進みませんでした。
私も「どうせ作るなら、何かテーマに沿って作れないかな」と思っていた矢先に、
恐竜発見者の村上茂様から、家族愛・自然愛というキーワードをいただき、
それから何か良いものが出来そうな気がしました。
その後、手作り絵本等でご活躍中の村上祐紀子さん作の、紙粘土の「ほほえましい親子の恐竜」
見た瞬間、「これや!」と確信しました。
それからは、いろんなことが頭に浮かんできて、台座も発掘された石を使おうとか、
メッセージも、親子恐竜が自分に乗り移ったんじゃないかなと思うくらい浮かんできて、
不思議ぐらいドンドン進んでいきました。
この恐竜モニュメントのテーマは「ふれあい親子恐竜」。なので親子にもこだわりました。
設計とモニュメントは私、台座の石は父の太一が積んでくれました。
正面の「ふれあい」の文字は、娘の智佳が書いてくれました。
手前味噌で恐縮ですが、親子三代の作品なんです。
除幕式は多くの地元の皆さん、新聞各社の皆さんが来てくださり盛大に行なわれました。
式典のあとすぐに「号外!」「号外!」と読売新聞さんがその場で号外紙を配ってくれました。
今は車の中にプリンターが設置されててすぐに号外が出せるんですね~。すごい!
この恐竜の前で、たくさんのご家族が記念撮影をされますことを願って、
恐竜のお話は終わりとさせていただきます。
場所はJR福知山線「下滝駅」の前です。
墓石を販売する創業92年の株式会社森田石材店のブログ(丹波市・篠山市・多可郡・西脇市・加東市・小野市・加西市・三田市・神戸市・南丹市・福知山市・猪名川町)
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