森田石材店ブログ - 石のお話 -

お墓に十三層塔

2017年04月11日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

これは西脇市黒田庄町にある古い十三層塔です。
その様式から鎌倉時代後期の建立と推測されており、言い伝えでは源氏の流れである木曽義仲(1154~1184)の供養塔であるとの事です。
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皆さんは庭園などに十三層塔が建っているのはよくご存じでしょう。でもそのルーツは意外や供養塔として使われていたようです。
鎌倉時代の高僧 叡尊は供養塔としていくつもの十三層塔を建立しています。
奈良の般若寺、宇治の浮島、兵庫の清盛塚などは石造美術品としても評価の高いものです。お寺の庭にある十三層塔は単なる観賞用としてではなくもっと深い意味があったんですね。
この春 あるお家の古いご先祖様の供養塔として十三層塔をお手伝いさせて頂きました。長年この仕事をしていてもなかなか経験出来ない貴重なお仕事をすることが出来ました。
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大島石の国内加工と中国加工

2017年04月10日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

関西では昔から高級石材とされている大島石。
人気がある故に、とても多くの工場で加工されています。特に2000年以降は中国加工(いわゆる逆輸入)もあります。今回は、そんな大島石のことについてお話します。
大島石の加工には、大きく分けて3種類あります。
①日本の工場で加工されたもの
②日本の業者が石を中国へ輸出し、中国の協力工場で加工したもの
③中国の業者が日本で石を買い、中国の工場で加工したもの
いずれも本物の大島石です。
【日本の工場で加工されたもの】
主に、香川県の庵治産地や岡山県の北木産地が一般的です。もちろん、山に近い愛媛県内でも加工されています。昔から長く取引されている業者が多く、時には価格以上の物が出来ることもあります。そんな時には「このお客さんラッキー」と心のなかで思ったりもします。
国内加工の特徴は、
①採石場に近いため輸送コストが安い
②問題があれば取替えやすい
③研磨工程にこだわりがある事が多い
④蓮華や大入れ加工など、伝統的な形は専門の職人なので美しい
【日本の業者が石を中国へ輸出し、中国の協力工場で加工したもの】
一般的に委託加工と呼ばれます。日本の加工費用に比べて少々安くなります。中国の石材加工技術は高く、特に洋型の特殊な形状や手間のかかる仕事は、日本ですることを考えれば遥かに安価になります。あと、問題があってもすぐに対応できにくいため、材料は大きいものを輸出しています。大きな材料というのは、なかなか採れないため数多くある大島石の丁場の中でも、使用できるものは限られています。石の選定は日本の業者が見定めています。
①大きな材料で安定した石
②特殊な加工は安価に提供できる
③製品レベルは国内加工とほとんど変わらない
④石を選ぶのは日本人
【中国の業者が日本で石を買い、中国の工場で加工したもの】
委託加工の場合とほとんど変わりません。違いは、中国の方が原石を選定することです。彼らも石のプロですから確かな目で選定します。最近の中国企業には資本力がありますから、ドーンと大量に原石を買い付けて自社工場で加工する場合が多いです。
①大きな材料で安定した石
②特殊な加工は最も安価に提供できる
③製品レベルは国内加工とほとんど変わらない
④石を選ぶのは中国人
どの加工をされても、信頼できる石材店からお買い求めになる場合には、心配はありません。注意したいのは出所の分からない石です。流通経路が複雑になればなるほど、出所の分からない石が増えてきます。本当なら使えない石が薬品処理で使われたりすることも、残念ながら無いとはいえません。『お墓選びは石材店選び』からです。本当に信用できる石材店でお買い求め下さい。安すぎるものには必ず理由があります。
当社では大島石を選んでいただく際に、国内加工と中国加工を選んでいただいております。
「やっぱり日本の石は日本人に作ってもらいたい」
「同じ石なら、品質が確かであれば誰が作っても構わない」
など、ご意見は様々です。
私は可能な限り国内加工をおすすめしたいと思っています。中国加工ももちろん心配はありません。ここには表現しづらいですが、細かなことは、やはり国内加工の方が安心できるところがあります。あとは日本の一流の加工技術が継承されなくなってしまうのも困るからです。そんな意味で、あえて国内加工にすることもあります。大島石をお選びになる際には、ぜひ参考になさって下さい。

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六地蔵はなぜ6体?

2017年03月26日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

この春のお彼岸に親類同士8軒の一統様の墓地整備をお手伝いさせて頂きました。
集落の共同墓地には入口に必ず 「六地蔵さん」 があります。
こちらの墓地にも新しく 「六地蔵さん」 をお迎えすることになりました。
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 なぜ六体なのでしょうか?
お釈迦様は人間は死んでからも六つの世界をめぐり続けるという 六道輪廻の世界を説きました。
地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天の六つです。
お墓にお地蔵さまをお迎えしてれぞれの世界を見守ってもらっているのです。 
よく見るとそれぞれ持ち物も様々です。 担当毎の違いでしょうね。
お地蔵様は 水子供養や道祖神などにも登場します。数ある仏様のなかでもスーパースターのようですね。

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稲田石の話

2017年03月25日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

稲田石は日本を代表する白御影石のひとつです。
主に東日本で多く用いられ、東の稲田石、西の北木石と言われていました。
歴史は古く、本格的に採掘・加工され始めたのは明治22年だそうです。
とにかく広く大きい丁場はおそらく日本一のスケールです。
この大きな石の塊から、まるで「豆腐を切る」ように白い大きな原石が切り取られます。
大きな材料が採れるため、昔から建築物や鳥居などに使われてきました。
最高裁判所や東京証券取引所などは特に有名です。
さて、稲田石が固まった時期は、約6000万年前といわれています。
これは大陸で産出する多くの石が数億年前の石が多いことから、とても若く新しい石といえます。
石が若いと劣化をさほど受けていないため、鉱物同士の結合が強く硬い石なのだそうです。
石年齢って大事です。
物性データは
吸水率   0.220%
見掛け比重 2.630t/㎥
圧縮強度  167.48N/m㎡
(墓石用石材規格カタログより)
吸水率と比重は他の墓石と比べても平凡ですが、圧縮強度は非常に高く、とても固い石材といえます。
当社にも稲田石で作られた墓石がございます。↓↓↓↓↓
稲田五輪塔.png
どーんと迫力ある五輪塔です。
叩き仕上げで、稲田石の白さが目を引きます。
これに梵字(ぼんじ)を薬研彫り(やげんぼり)で彫るといい雰囲気になりそうです。

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森田 茂樹
森田 茂樹

弊社には昔の工法で作った磨いていない(叩き仕上げといいます)お墓があります。

それをご覧になったお客様から、様々な質問を受けました。以下の3つです。

①表面の仕上げによって吸水の違いはあるのか?

②汚れた場合に掃除はどちらがしやすのいか?

③磨いていない方(叩き仕上げ)が価格が高いがその理由は何か?

 

まず①の違いですが、石の表面には微細な穴があり、どんな石でも吸水はします。叩き仕上げの方が表面がザラザラして表面積が増えるため多少吸水が多くなりますが、さほど変わりません。

次に②の掃除のしやすさです。ご想像通り、研磨仕上げの方が表面はツルツルしているため、雑巾やウエスで拭き取るだけで汚れは取りやすいです。

叩き仕上げの場合は表面がザラザラしており、雑巾やウエスでは拭き取りにくくなっています。

ここでものの考え方ですが、研磨仕上げのキレイな墓石も20年も経てば水垢が目立ってきます。そうすると簡単には落ちにくくなります。

また建てた当初は鏡のように輝いていた石の表面もくすみがちとなり、古びた印象は否めません。しかし叩き仕上げの墓石は少し違います。

長年の汚れは(ある程度のお手入れは必要ですが)味わい深くなってきます。建てた当初は「うちのはピカッとは光っていないな~」という印象ですが、20年も経てば風格が出てきます。この2つにはそれぞれの良さがありますので、検討の参考にしていただけたらと思います。

続いて③の価格についてです。最近のお墓は表面を磨いたものばかりですが、これは戦後に切削機(石を切る機械)と研磨機が普及して割と簡単に研磨仕上げが出来るようになったからです。

機械加工の場合は、まず切削機で石を切ります(直線部分のみ)。カーブの所は電動工具で形を作ります。そして研磨機で研磨(8~9工程)をします。

しかし切削機や研磨機が普及する前の工程は次のとおりです。

石に穴をあけセリ矢というもので石を割ります。そしてノミやコヤスケという道具で大まかな形を整えます。それから表面をビシャンという道具を使って粗い目で仕上げ、さらに小叩きという道具で細かい目に順番に叩いて仕上げます。これが「叩き仕上げ」「小叩き仕上げ」です。昔の研磨仕上げはここからさらに砥石で手磨きをしていました。一般的に叩き仕上げでお墓を作るには約2~4万回石を叩くとされています。ですから今は叩き仕上げの方が高価になのです。大樹寺型五輪塔.JPG写真は山南本店に展示しております「大樹寺型五輪塔(千年五輪塔)」です。愛知県岡崎市にある大樹寺は徳川家康の菩提寺として有名で、目利きの杉田さんプロデュースの作品です。素晴らしいバランスで、このセンスのいい形は石造美術品に匹敵します最後に、本当にいい叩きのお墓はとてもキレイに年をとると私は思っています。叩いているからこそ、だんだん古くなってきた時にその違いは明確になってきます。だからこそ石工は一所懸命叩くのだと思います。

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熊本地震とお墓

2017年03月12日 08:00

yoshida
yoshida

滝野店の吉田です。

今年の3月11日で東日本大震災から6年の年月がたちました。
日本は、地震大国と呼ばれ、世界で起きるマグネチュード6以上の地震の2割が日本で発生しています。
お墓も地震対策が施され、地震保険も導入されるようになりました。
地震のお墓被害といえば、昨年の4月に起きた震度7の熊本地震でのお墓を思い出します。
発災後3ヶ月たった震源地の近くのお墓です。
地上納骨式の立派なお墓で、ピンとボンドにて耐震施工されてましたが、震度7の地震が2回起きてますので効果は十分ではなかったようです。
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その後、4ヶ月後には、徐々にですが修復はされておりました。
修復されたご先祖様のお墓をみると、少しは落ち着かれた状況なのかなと思います。
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震災の復興は、まだまだこれからですが、1日も早い復興をお祈りいたします。

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「赤い」六甲山の本御影石

2017年02月22日 08:00

髙橋 圭司
髙橋 圭司

本店の高橋です。

最初の写真は地元山南町の墓地 次の2枚は神戸市東灘区の墓地です。
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お墓の色が全然違うのがお判りでしょうか。
「御影石」の名前の由来は神戸市の六甲山 御影町で産出された石です。
特徴として色がとても「赤い」のです。
近年使用されている「御影石」は青い色の物がほとんどですが、六甲山の石は赤く「本御影石」と呼び区別されています。
神戸まで仕事に行くことはたまに有りますが 六甲山周辺の墓地はだいたいこの「本御影石」を使っていますので、お墓が「赤い」のです。
墓地の周りを囲む巻石までも「赤い」石を使っています。
磨きをかけずに石の表面を叩いた仕上げの物も多く、なかなかの風情ですよ。
今回、神戸市東灘区のお客様の依頼でこちらにお伺いしました。
近くに石材店はあるが、遠方でも良いから学校厚生会指定の信頼出来る業者に頼みたいとの事で弊社にお声が掛かりました。
(学校厚生会とは兵庫県教職員の皆さんの福利厚生等の支援を行っている一般財団法人で私どもは20年ほど前から指定店にしていただいてます)
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お墓の巻石の修理です。
工事は順調に完了し、お客様にもご満足して頂けました。

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山崎 倫子
山崎 倫子

本店 山崎です。

こちらのブログでは、よく「石んこ地蔵」を紹介していますが、
私が今回お勧めしたいのは、このお地蔵さま!
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とても愛嬌のあるかわいらしい顔をしています。
そして、お地蔵さまとは思えないこのポーズ。
なんだかやんちゃな小坊主さんのようですね。
実はこのお地蔵さまシリーズ、たくさんあるんです。
お地蔵様.jpg
↑ご覧ください!!(この写真以外にもあります)
なんのポーズ?と思われそうなお地蔵さま。
頭をなでたくなるようなお地蔵さま。
見ているだけで思わずこちらの表情も緩みます(^-^)
ひとつひとつが、職人さんの手作りですので、
なかなか同じ表情のものを作るのは難しいですが、
気になるお地蔵さまがありましたら、ぜひお問い合わせください!

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溶岩からできたくまモン 

2017年02月10日 08:00

yoshidumi
yoshidumi
こんにちは、本店の義積です。
当店の入り口には、石のくまもんが鎮座して来店されたお客様をお出迎えします。
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↑↑後ろ姿もキュート♡
このくまモンは、九州からやってきています。
なんと熊本の溶岩から作り出たものです。
熊本の石職人さんが一つ一つ手作りで作られています。
天然石で出来ているため、同じものはありません。
近くで見るとそれぞれ違っているののがよく分かります。
私は可愛いくまもんが会社に来て大喜びです。
可愛すぎてたまりません。
先日このくまモンが、あるお客様の元に売れてしまいました(売れるのはありがたいのですが、少し寂しい・・)。
しかし昨日、このお客様の店の玄関に居るのを見付けました!!
私が作ったPOPも一緒に首からぶら下げていました。
店頭に飾っていただいていたので、嬉しかったです(^-^)
くまモンを触るとザラザラしていて、機械で磨かれたお墓の石を触る感覚とは少し違います。

今まで溶岩を触った事は無かったのですが、これが溶岩なのだと実感できます。

昔、四国へ石の採掘場の見学に行った時、大きな岩肌から採掘される姿を見ました。

まさしく地表を削り採れるものだと思いました。
考えてみれば、溶岩石もお墓に使う石も地球からの贈りものなのですね。
くまモンは、当社各店に居ますので、お店に来られた時は触ってみてくださいね(^○^)

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盃状穴 (はいじょうけつ)

2017年02月09日 08:00

園中 憲二
園中 憲二

篠山店の園中です。

唐突ですが、盃状穴ってご存知ですか?
今、盃状穴探しが密かにブームになっているそうなんです。
盃状穴とは 、岩や石製品に盃状や、すり鉢状の穴を掘ったもので、石灯籠や手水鉢、石段、石橋、石の道標、民家の敷石、石畳などに多くの盃状穴が見つかっているらしいです。
また、盃状穴は世界中で見られ、再生や不滅のシンボルとして信仰され女性シンボルとの関係があると言われいます。
病気の治療や子宝に恵まれることを願って信仰されていたそうです。
私も一つ見つけました!

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場所は篠山市桑原(県道710号本郷辻線沿い)にある道しるべです。
ポールの上に丸い石がのっています。

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読み取りにくいですが、何か文字が刻まれています。

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違う面。「このは う原 福ち山」と読めます。

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違う面。「ふくすみ かすが道 ささ山」。

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真上から。きれいな丸石です。

三差路の方向を指すには丸い石が適してたのかもしれないですね。

その気で探せばもっとたくさん見つかるかもしれません。

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お墓の展示場

展示会 次回は3月を予定しております。

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く