森田石材店ブログ - 石のお話 -
大島石の話
2017年01月11日 08:00
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
今日は大島石についてお話します。
大島石とは?
愛媛県今治市の沖にある大島から産出されます。
その採石の歴史は古く、大阪城の築城資材に用いられた記録があります。
お墓に使用する石で、最もお墓らしい石
とてもオーソドックスな見た目で、昔から関西地方では高級墓石材といえば大島石でした。
現在、一般に流通している外国産墓石材(関西向け)は、そのほとんどが大島石に似ている
という理由で採用されています。
大島石とひと言では・・・
ひと口に大島石と言っても、石の種類は相当数に上ります。
大島が採石される場所は主に3つ、
「余所国」「宮窪」「カレイ」と分かれています。
その中に各丁場があり、その数は30以上になります。
さらにランク分けされています
丁場から出てくる石も均一ではありません。
色の濃淡や目合の違いなど、丁場によっておおよその特徴がありますが、
その中でもいいもの、少し劣るもの、墓石には使えないものに分けられます。
この無数にあるランクの中から、今、調子がいい石は何かを私たちは考えています。
たくさん流通している大島石の悩み
一般に流通している大島石のすべてが厳選された大島石ではありません。
大島石には錆(サビ)の部分や油が含まれる場所があります。
これを外しながら製品を作るわけですが、それが薬品等で誤魔化されている場合があります。
私たち石材店でも、その見極めはとても難しいものです。
不自然に安い価格の石は要注意でしょう。
加工も大切な大島石
また大島石には天目合わせという石の取り方があります。
大島石は石の目が横に流れているため、特定の方向に合わせれば少し目が細く見えます。
少し歩留まりは悪くなりますが、こうすることで正面から見てキレイな石塔が出来上がります。
石を取り出すところから加工に至るまで、信頼関係で成り立っている石なのです。
信用できる大島石を見つけるには
どんな石もそうですが、信頼できる石屋さんを見つけることです。
特に普段から大島石をそれなりに使用している小売店であればベストです。
いつも馴染みの石を扱っていれば、石の良し悪しがよく分かるからです。
ぜひ参考になさって下さい。
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庵治石の話
2017年01月04日 08:00
森田 浩介
仕入れ担当の森田です。
今日は、庵治石についてお話します。
庵治石とは?
香川県高松市(牟礼町、庵治町)で算出される石です。
墓石に使われる石で最も高級とされるのが庵治石です。
採石される場所により、色や目合が違うため、一概に庵治石とは括りにくい石でもあります。
その中でも有名なのが、大丁場といわれる丁場です。
最高級の庵治石はここから産出されます。
でも考えてみてください。物にはピンからキリまであります。
一番安い材料は埋め立てに
庵治石といっても、山で採れる石の全てが使えるわけではありません。
ほとんどは墓石用として使用できません。
多くは埋め立てや埋め戻しに使われます。
次に形のいいものは石垣に使用されます。
その次に使える部分は、灯籠や彫刻品の材料になります。
さらにいいものが、ようやく墓石に使える材料になります。
墓石の材料も色々
墓石に使える石にも様々あります。
同じような場所で採石されても、目の粗いところもあれば、少し細かいところ、細かいところ
(石の目合いにより、中目・中細目・細目と分類されます)。
キメが揃っているところ、流れているところ
色が濃いところ、淡いところ
斑と呼ばれるかすれ模様がハッキリしているところ、そうでないところ・・・
あらゆる要素から、石のランク(価格)が決められています。
山に絶対はない
石は自然のものですので、有名な丁場であっても、いつも良い石が出るとは限りませんし、
そうでない丁場でも、キラリと光る石が出ることもあります。
お寿司屋さんの大将が常連さんに「今日はいいブリが入っているよ」ってな感じで、
いつも取引させてもらっている業者同士は話をしています。
ということは、味が分かっていない人には、それなりの物が来るのかも知れません。
お墓の材料になるのはたった2%の材料
以上のことを考えれば、最高級とされる細目特級材は非常に産出量が少なく、
またキズやムラが多いため(いい石ほど難しい)採れる石のわずか2%しか使用できません。
キズは問題ありますが、ムラは模様と思えば実は問題ありません。
しかし、そこは産地のプライドがあります。最高級の石はとことんこだわったもので造られます。
でも建てばやっぱり良い石
石に良い石も悪い石もないと、私たちは思っています。
しかし、この石(最高級)で作るとやはり壮観です。
今まで、何度も建てさせてもらいましたが、やはり「いいものはいい」です。
この石が日本にあって良かったと思います。
とても高価な石ではありますが、お墓をお考えの際には、一度は見ていただきたいです。
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