森田石材店ブログ - 石のお話 -

天山石の話②

2018年01月05日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入担当の森田です。

前回と今回で天山石のお話をしています。
前回の「天山石の話①」では品質についてでしたが、今回は見た目と継続性についてお話します。
見た目
さて、前回もお見せしました下のサンプルをご覧ください。
天山石サンプル比較.jpg
これは天山石ですが、天山石材さんというところで採石されているものです。どちらが高級品か分かりますか?
結構ビミョーな差ですよね。同じところで採れても、その時により色の違いはあります。品質は同じですが、これぐらいの色の違いでも分類されることがあります。
この色の違いは科学的に成分によって分析されているようです。それがこの下のグラフです。先日、日本石材工業新聞に掲載されていたものです。これにより石が分類されているのだそうです。
私たちにとっては、期待を裏切らない石が手に入るのはとてもありがたいことです。
天山石成分分析.jpg
(日本石材工業新聞より)
ちなみに先ほどのサンプルは、向かって右の「紺碧」の方が高級になります。

継続する石がほしいワケ
石屋さんは継続する石がほしいです。出来ればいつも同じ目合で、同じ濃さの石があれば理想です。そうでないと、石のサンプルや展示品を見ていただいても違う印象の石になってしまうからです。
でもそこは自然の産物です。そう簡単にはいきません。ですから、私たちは出来るだけ大きな丁場(石が採れる場所)で、大きな原石が採れているところを好みます。
天山石が好まれるのは
天山石には様々なものがあります。サンプルでご紹介したものは天山石材さんの石です。他にも、田中直実石材さんの石や七山石材(七山みかげ)さんの石もあります。どれも調子がいい時はとてもキレイです。自然のものですから、私たち石屋としましては、その時の調子のいいものを使いたいと思っています。
他にも天山石系には、「富士みかげ」や「椿石」もあります。よく見ると違いは分かりますが、色の濃い良質の石があります。なかなか裾野の広いいしですね。
まとめ
ということで、天山石をご紹介してきました。何度も言いますが石は自然のものですので、判を押したようにはいきません。ですから、「この丁場の石がいつもいい」ということはありません。ですから、あまり細かい指定をしなくても、その石屋さんが信用できればきっと良い石を選んでくれると思いますよ。

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天山石の話①

2017年12月26日 08:00

森田 浩介
森田 浩介
仕入担当の森田です。
今日は佐賀県唐津市で産出される天山石(てんざん)をご紹介します。
天山石ってどんな石?
まずは、見た目が大切ですのでご紹介します。
この石が天山石です。↓↓↓↓↓
天山石サンプル比較.jpg
2種類ありますが、この違いについては後々お話いたします。
まずはこんな石だとご理解ください。少し青味があって力強そうな石です。
さて、私たち石材店が石を選ぶ基準は一般の方とは少々違います。では石屋のその基準とはどういったものでしょうか?それは以下の3点です。
1.品質
2.見た目
3.継続性
品質を考えてみる
ひとくちに品質と申しましても、その基準は測れるものと測れないものがあります。例えば、見掛け比重、吸水率、圧縮強度などは測れる指標として使用できます。この天山石であれば、
見掛け比重:2.68g/c㎥
吸水率:0.059%
圧縮強度:192.50N/㎡
日本石材産業協会発行の「墓石用石材規格カタログ」
墓石用石材規格カタログ.jpg
に紹介されている36種類の日本の石で比較すれば、
見掛け比重:9位
吸水率:3位
圧縮強度:5位
となり、かなり優秀な石と言えます。
ちなみに一般のお客様でも墓石店に行けば耳にされることがある吸水率は3位で、この天山石の上位2石種は浮金石(福島県)と備中青みかげ(岡山県)です。浮金石は黒系の斑レイ岩、備中青みかげは濃い緑の閃緑岩で、グレー系の花崗岩では最も吸水率の低い石といえます。
また、西日本の代表的な石である庵治石(0.150%)、大島石(0.111%)と較べても、吸水が低くとても優秀な石だと言えます。
曖昧な基準
では、もうひとつの測れない基準を考えてみたいと思います。それは、
1.過去に建てたお墓を見て
2.石を見て触った時の印象
曖昧な話に聞こえるかもしれませんが、1の過去のお墓を見るというのは、数字ではありませんが測っているのかもしれません。
墓地に行くと様々な年代に建てられたお墓を目にします。当然ですがキレイなだけがいいわけではありませんが、天山石はツヤ持ちがいい印象です。ツヤだけで言えば、インドや南アフリカの石もいいものが多いですね。
あと、私たちが石のサンプルを触った時の感触です。こんな硬いものなので凹むわけでも温度が違うわけでもありませんが、いい石はやはりビビッとくるものです。

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森田 浩介
森田 浩介

仕入れ担当の森田です。

弊社では伊達冠石を多数展示しております。それは、
1.自然のままの姿を利用して作られているので、同じものがない
2.少ししかないと選ぶ楽しさもない
3.実物を見て「目が合った商品」を選んで欲しい
こんな理由からです。
その中でも、3に挙げた「目が合った商品」って言うのがポイントです。
石ですから、こんな表現はどうかと思いますが、この伊達冠石は実に「一目惚れ」が多い石なのです。それも、写真ではなくやはり現物です。これに勝るものはありません。
さて、今日は本店に展示しております商品をご紹介します。それがコレ↓↓↓
伊達冠石「玄」.JPG
伊達冠石の皮の部分を生かしながらも、形も整っている「玄~くろ~」という商品です。
この商品の特徴は、茶色く見える皮の部分をいい場所に持ってくるという山で製作されているからこそ出来るウルトラCです。一見簡単そうに見えますが、これは至難の業です。そしてもうひとつの特徴が磨きです。写真で言えば黒く見えるところです。
この磨き方は「水磨き」になっています。通常、表面が鏡のようにピカッと光る磨き方を本磨きというのに対して、この様にツヤ消しになっているのを水磨きといいます。このマットな感じが最高なんです。
ひとことで「水磨き」と言いましても、その工程は涙ぐましいものがります。それは、本磨きよりも大変なのです。このレベルにしようと思えば、ある程度磨いてからツヤを砥石を使って手作業で落としていかなければなりません。その絶妙具合がこの仕上がりなのです。
芸術家のイサムノグチは石を使ったオブジェを沢山作っていますが、屋外に設置されるものに磨いたものはありません。あえて水磨きになっていました。そんなことからも、屋外に設置されるお墓がこんな仕上がりになっているのは理にかなっていますね。
この魅力は写真ではどうにも伝わりません。是非一度触ってみて実感していただければ、彼「玄~くろ~」)の男前さにお気づきになることでしょう。

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ひさしぶりに歌いました

2017年11月20日 08:00

yoshidumi
yoshidumi

こんにちは、本店の義積です。

先日、国歌「君が代」を歌う機会がありました。耳にする機会は何度かありましたが、実際に歌うのは、学生時代の卒業式の時以来ではないでしょうか・・。久しぶりではありますが、なんとか歌う事ができました。
君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで
子供の頃に歌っていた歌ですが、改めて見ると、とても短い歌詞なのですね。
この歌詞はなんと「古今和歌集」の中の一つだそうです。この歌詞中に「さざれ石」があります。さざれ石(細石)は文字通り、細かい石・小石の意であり、それらの小石が巌(いわお)となり、さらにその上に苔が生えるまでの過程が、非常に長い歳月を表す比喩表現とされています。
さざれ石は全国に存在します。私も今年の夏に、天橋立にある籠(この)神社に行き見る事ができました。小さな石が集まり、大きな硬い岩のようになっていました。すごい!!
20171120.jpg
君が代は、このさざれ石のように小さな石が、長い年月をかけて大きな岩の塊になり、苔が生えるくらい、天皇の代が平和でありますようにという意味だと言われています。素敵な歌ですね。
そういえば来年は冬期オリンピックも開催されます。たくさんの選手が表彰台に上り、君が代が流れるとよいですね(^-^)

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やさとみかげ

2017年11月05日 08:00

森田 浩介
森田 浩介

仕入担当の森田です。

今回は当社で使用しています日本の石をご紹介します。
その名も「やさとみかげ」。漢字で書きますと「八郷みかげ」で「茨城中目石」とも呼ばれます。どんな石かと申しますとこんな石です↓↓↓↓↓
やさとみかげ.jpg
見た目の印象は、大島石より少し目が粗く、淡い青味がある石です。
物性データは以下のとおりです。

見掛け比重 2.659 t/m3 ★★★
吸水率
0.200
圧縮強度
161.32 N/mm2 ★★★★
★は当社独自の5段階評価です。
それなりに吸水はありますが、圧縮強度は抜群です。
さてこの石を当社で使用するのにはワケがあります。それは大きな岩盤で良質な石が採れることです。
次の写真は丁場の写真です。↓↓↓↓↓
やさとみかげ丁場1.jpg
人の大きさから比べても巨大な岩盤が見えています。キズもなく色も均一な丁場から採れる石は、先ほどの物性データに表れる数字よりも私は大事だと思っています。次の写真がそれを切り出している場所です。
やさとみかげ丁場3.jpg
これだけ大きなところから切り出すのですから、どんなサイズにも対応が可能です。大きな鳥居でも作ることができます。
実際に弊社でも、外柵用に大きな石を調達することがあります。それがコレです。
やさとみかげ4.JPG
約4mあります。
さて、こんな「やさとみかげ」を弊社では原石で買っています。そして石塔や外柵を加工しています。
当社に展示してあるセットがコレです。↓↓↓
やさとみかげセット.JPG
これは巻石も石塔も霊標もすべて「やさとみかげ」でつくりました(物置台はちがいますが)。オール国産です。それでいて価格は決して高くはありません。
現在このセットは滝野店と篠山店に展示をしておりますのでいつでもご覧ただけます。

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文字を拓本する

2017年11月01日 08:00

yoshida
yoshida

滝野店の吉田です。

今回は、お墓を整理するにあたって、墓石に刻んであった「辞世の句」の拓本をとって欲しいとの依頼がありました。
画仙紙を用意して、石にテープで貼り付けます。
IMG_2125.JPG
次に、画仙紙に霧吹きにて水を噴きつけ、石に密着させます。
「タンポ」と「墨」を用意して、画仙紙が乾きはじめると、墨をつけたタンポにて画仙紙を石面に対して垂直にポンポンと叩いていきます。
DSCN1616.JPG IMG_2127.JPG
すると彫刻部分の空間が白く残り、字が浮かんできます。
御影石の墓石のように磨いてあれば、もっとはっきりするのですが、凝灰岩の石で年数が経っていて面が均一ではないので、見難いところも多々ありますが、完成です。
お墓に託する表現方法は、時代とともに多様化してきていますが、思い・気持ちの部分は変わっていない様に思いました。

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森田 浩介
森田 浩介

仕入担当の森田です。

先日(10月16日)は雨天の中、愛知県岡崎市の岡崎ストーンフェアへ行ってきました。
例年ですとかなり多くの来場者があるこの展示会ですが、今年は雨の日曜日の午後ということで、混雑なくゆっくり見ることができました。
私が見ていて気になりましたのが、この灯籠です。
171016灯籠.jpg
とある名品を模した作品ですが、とても趣のあるもので気に入りました。たまたま、小さくても品のいい物を探しておりましたので、すぐに目に止まりました。
次に気になったのはこの狛犬です。
171016狛犬.jpg
なかなかの筋肉質な狛犬です。前足を大きく開いて力強く踏ん張っています。作られていたのは石彫の戸松さん、とても良い仕事でした。こんな狛犬が神社の入口で鎮座していると、なかなかの迫力です。こんな狛犬をいつかは納めてみたいです。
さて嗜好が変わりまして、こちらは愛媛県の大島石のサンプルです。
171015大島サンプル.jpg
大島石と申しましても様々な石がありますが、今回出展されていたのは西原石材興業さんです。西原さんといえば、私たち石屋(大島を使っている)では高級材で知られています。そのサンプルです。
何か色目が全部バラバラですよね・・・。
それもそのはず、広い丁場(石を採石するところ)の場所により、石の色目は少しずつ違います。西原さんでは、この色目の違いを何十にも分類して管理されています。つまり、後から部品を補充するときでも限りなく自然に石目が合うための工夫です。さすが高級材ですね。
他にも、機械工具やらCADソフト、果てはセットウの柄(これは「10本買ってきて」と頼まれました)まで色々とあって楽しかったです。

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石材の単位

2017年09月20日 08:00

福島 正弘
福島 正弘
滝野店の福島です。
普段私たちが物の大きさを計測するとき、長さの単位はcmやm、体積は㎥(立法メートル)などが使われています。しかし私ども石材店では、このような単位ではなく昔ながらの長さの単位で寸や尺を使います。さらに石の量(体積)を表す単位が「才(さい)」で数えるのが一般的です(「切(さい)」と表記される地域もありますが意味は同じです)。今回は石の体積の数え方「才」についてご紹介します。
大きい段ボールに入った荷物を受け取ったとき、箱に「才(さい)」と書かれているのを見られたことがありますでしょうか?
私たちは普段、物の体積を計るときには、「ccや「㎥」などを使うのが一般的です。しかし、昔は船の積み荷を量る際に、一辺が1尺として計算をする「尺貫法(しゃっかんほう)」が使われてきました。ちなみに1尺は約30.3cmですが、1辺が1尺で出来た立方体の体積は「1才」という単位で表されます。これの10倍=10才が「1石(こく)」となり、木材や石材のための体積の単位になります。
まとめると、石材の体積は次のような単位で計算されています。
・一辺・・・1尺
・縦1尺✕横1尺✕高さ1尺の立方体=1才(30.3cm✕30.3cm✕30.3cm=27818.127cm3=0.0278㎥)
・10才=1石(1才0・0278✕10=0.287㎥)
ちなみに運送業界では1才を約8kg~10kgと仮定されているようです。石の場合は種類にもよりますが約70~80kgといったところです。
こうして荷物の大きさからだいたいの容積を導き出し、トラックに積み込める質量が計算されているのです。

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ビシャン仕上げ

2017年09月17日 08:00

中道 祥貴
中道 祥貴
本店の中道です。
石の表面の仕上げには何通りかの 仕上げ方法があります。
一般的に墓石の仕上げには本磨き仕上げがほとんどですが、先日ご契約頂いたお客様は、五輪塔を ビシャン仕上げにする事にしました。
ビシャン加工を施すと風合いが柔らかくなり、経年と共に風格を増すような仕上げ方法です。
墓石などの石の加工は、昔と比較して全く変わりました。機械がない昔は、全てを人の手で加工していきました。ビシャンや小タタキ加工は元々その過程でした。
原石のコブを叩いて落とし、ノミ切り、更に、ビシャン叩きをして、小叩き加工で生地を締めていきます。
 ↓ 左 本磨き ・ 右 ビシャン仕上げ のサンプルと道具
 9.17 加工1.jpg
 ↓ 本店に展示 ビシャン加工の 五輪塔
 9.17 加工2.jpg
本磨き仕上げのキレイな鏡面に磨きあげたものとは違い、石本来の持ち味が活きてくる、素朴な叩き仕上げも、味わい深くて良いものですよ。
今から完成を 楽しみにしております。

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石の吸水率って?

2017年09月04日 08:00

山崎 倫子
山崎 倫子

本店の山崎です。

弊社の展示場の値札には、「石の吸水率」を数値で表し、★印で評価しています。
如来型9寸バングレー.jpg
↑こんな感じです。
吸水率とは、石材が水分を吸収する割合を数値で表したものです。簡単に言えば、どれだけ水を吸うか・・・という事です。数値が低いほど、水を吸いにくい石ということになります。
墓石は長年、風雨にさらされた状態で建つことになりますので、水分が抜けないまま長年経過すると「ひび割れ」や「変色」の原因になると言われています。また寒い地域では、凍害などの影響が出る恐れがあります。もちろん、どんな石でも、水を全く吸収しないということはありませんが、出来るだけ吸水率の低い石を選ぶことにより、劣化が起こりにくいといわれています。
もちろん、条件は様々ですので、そこばかりにこだわることはないと思います。ご自分がどこに重きを置くのか・・・色、価格、産地、形など、こだわるポイントは個人によって違ってきますが、気にするポイントの1つとして、展示場へ来られた際には吸水率の★マークも見てくださいね。

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お墓の展示場

展示会 次回は3月を予定しております。

山南本店久下小学校近く
滝野店JR加古川線滝駅すぐ前
たんば篠山店丹南篠山IC近く