滝野店の中村です。
いわゆる”墓じまい”を検討されている方もおられるかと思いますが、”墓じまい”は場合によってはトラブルになることも多々あります。
過去の記事はこちらです。
改葬(お墓の引越し)に必要なもの
お墓の引越し
お墓の引越し2
お墓の引越し3
今回は”墓じまい”で気を付けなければならないポイントの一つ「自治会の規約」についてです。
お墓の場合には、住宅用の土地を取得するように墓地となる土地の所有権を買い取ることはできません。
よく「お墓を買う」と言いますが、お墓を買う=お墓の永代使用権または墓地使用権を取得することです。墓地の所有者と墓地を永代に渡って使用する権利を得るという契約をします。
つまり、共同墓地の場合には墓地の所有権は霊園を経営する側や自治体にあって、お墓を建てて所有している者は土地についての使用権を有しているだけです。
墓地建立に関する規約があるように、墓地返還に関する規約も当然存在します。最近では自治会の共同墓地でも、墓地に関する規約も細かく整備されているところもありますので確認は絶対に必要です。
返還の条件は様々ですが、多いのは
- ・原状回復(使用前の状態にする)
- ・更地する
- ・区画の場所によっては墓石のみ撤去して外柵は残しておく(外柵撤去によって区画が崩れる可能性がある場合)
といったところでしょうか。
また最近増えているのは、
・区画内の防草対策(コンクリート打設、防草シート等)
といったものもあります。
また費用が大きく変わる条件として
・土の入れ替え(特に以前土葬墓地であった場合に多い)
があります。過去には深さ1m以上土の入れ替えをしなければならない墓地もありました。
究極の条件として“返還を認めない”といったものもありました。
いずれにしても施主様の判断や、業者の判断で返還できるわけではありません。墓地規約やまた条件によっては墓地管理者の立ち合いのもと確認が必要です。
今回ご依頼を頂きましたお客様の区画の条件は「原状回復と防草の為、コンクリートの打設」でした。
施工前の様子がこちらです。
墓石を撤去して整地します。
撤去した墓石の竿石は供養塔に移動します。墓地によっては供養塔が既にいっぱいで置けない場合もあります。
整地後の様子です。
最後にコンクリートを打設して完成です。
このように墓地の規約によって明確に定められているところもありますが、中には「条件なし」といったところもあります。次のケースは「条件なし=今後その場所を他の方が使うことがない」といったものです。
こちらの墓地では周りの区画の人に迷惑にならないようにという事で、返還される方は自主的にコンクリート打設をされています。
施工前です。
施工後です。
このようにトラブル回避の為に勿論墓地規約の確認は必要ですが、御見積をする上でも返還条件は大きく関わってきますので是非一度ご確認ください。