滝野店の河合です。
当店は石材店ですが仏具も取り扱っています。
お陰様で位牌の追加彫刻や複数の古い位牌を1つにまとめたい、等相談を頂きます。
で、よく聞かれるのが
「掃除や手入れをどうしたら良いか分からん。」
「親がしてたのを思い出したり、見よう見まねでしてる。」
金箔が剥がれてしまったり、水拭きした跡が残ってしまったり
「これ、どないかならんもんか?古いからしゃーないんかな…」
という内容です。
位牌のお手入れは、普段から毛バタキで表面のホコリを払う程度にしましょう。
もし表面に汚れが付着している場合は柔らかい布を使って優しく乾拭きしてください。
その際に布を水で濡らしたり家掃除用の洗剤を使用するのは避けましょう。
それはなぜかと言いますと、
位牌の表面には漆による塗りが施されており水気には強いのですが、その下の木材に水が染み込むと後々塗りが剥がれてくるリスクがあります。
また水拭きできれいに仕上げるのはとても難しく、水に含まれていたカルシウムやミネラル分などが白く拭き跡として付着してしまうこともあり、黒塗りの位牌だとこれがよく目立ちます。
実際に伺った際にお位牌を見せていただくと、水拭きした位牌とそうでない位牌は一目瞭然です。
それくらい水拭きでのお手入れは上手く行かない場合が多く長期的には位牌を傷めてしまいます。
とはいえ、乾拭きでは取れない汚れの場合もあります。
その場合は専用のクリーニング材を使用するか、息を「ハァー」っと吹きかけて拭き上げます。
繰り返しになりますが水で濡らした布で位牌を拭くのは厳禁と覚えてください。
位牌には金装飾や蒔絵装飾が施されています。
位牌をお手入れする際、この部分には触れないようにしてください。
金装飾には金箔を貼る「面金」と金粉を塗る「面粉」という技法がありますが、どちらの場合も油分に弱く、擦るとすぐに取れてしまいます。
位牌のお手入れについてのお問い合わせで最も多いのが
「触ったら金が取れてもた!」
「拭いたら誤って金装飾を剥がしてしまった」
という内容で、汚れと思って拭いたのは実は下地だった…というお話をよく伺います。
では、「どうやってお手入れをするの?」と思われるかもしれませんが
「自分ではお手入れしない」が正解です。
どうしても気になる汚れが付着してしまった場合は、位牌を購入した仏具店に相談し金装飾には素手で触れないように注意しましょう。
位牌にふれる時は手袋をしておくと安心です。
位牌に手の油分が付くことを防げますし、誤って金装飾部分に触れてしまった場合も金が剥がれることは無いでしょう。
白手袋はホームセンターや百均で購入することができます。
位牌の手入れには専用のクリーニングクロスをおすすめします。
自宅にある適当な布で拭いてもいのですが、布によっては細かい傷が付いてしまう事があるので、失敗したくない場合は専用のものを使用しましょう。
位牌を綺麗に保つ秘訣は「こまめな埃取り」です。
小さな毛バタキで位牌表面を優しく撫でるだけで普段のお掃除は終了です。
位牌の表面についた油汚れを落としたい場合には専用のクリーナーを使用しましょう。
汚れを落とすと同時に表面をコーティングしてくれるものもあります。
決して自宅にある洗剤は使わないでください。
種類によっては位牌を大きく傷めてしまうこともあるそうです。
何十年も経過して黒く変色しているような古い位牌はお手入れしてもなかなか綺麗にならない場合があります。
位牌についた長年の汚れというのは線香のヤニや蝋燭の煤が堆積しており、かなり厄介です。強力な洗浄剤を使ったり、表面を研磨しないと取れないこともあります。
また、無理に汚れを落とそうとすると位牌自体を傷めてしまいます。
でもご安心ください。
長年の汚れが付着した位牌は仏具店にて修理・洗浄ができます。
簡単な洗浄はもちろん、塗り直しや金装飾のやり直しも可能で新品同様に生まれ変わります。
古い位牌が沢山ある場合は新たに1つにまとめる手もありますが、受け継いできた物だから残したい、という場合もあるでしょう。迷ったら1度、店にご相談してみて下さい。
森田石材店では現在、一緒に働いてくれる方を募集しております。
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仕事内容:お墓職人・営業・葬儀ディレクター・事務 年齢、性別、学歴等すべて不問です。